そらいろつうしん Last Update:2008/01/15   First Update: 2008/01/14

帰ってきた、そらいろ号 <前編>

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バルブの擦り合わせにも幾つかの方法があるのですが、永冶氏が推奨するのは、
タコ捧を使用して、すりすり、とんとん(10oほど引き抜いて叩く)を繰り返す方法。
(※注:叩きながら回転させる方法もあるが、そうではない)

本来バルブは上下運動なので、
回転して擦り合わせるより、叩いて合わせるべきもの…、という考えに基づいています。
このやり方だと、引き抜く時に研磨剤が合わせ面巾の中心に集まって適度に混ざるため、
研磨剤が長持ちして作業効率が良いそうです。

      愛妻家の永冶氏は、
いつも必ず左手に指輪を嵌めておられます。

また、道具がなかったり、バルブ面が荒れてラッパーが吸い付かない、
傘が小さすぎて使えない(ドリーム50など小排気量エンジン)といった時に活躍するのが、
下から軸を押し上げ(このときに軸の端を押しながら回転させる)、鼓を打つときの要領で叩く方法です。

      画像は仙人殿の『隠者の蒼(harmit blue)』号のヘッド。
僕のはもっと汚いです(爆

日頃から鍛えていない人は、翌日指の太さが倍になっていますので、要注意とのこと(笑)
確かに大変そうだ。

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現在はエアーツールを使用するところが殆どかと思いますが、NAGのバルブ擦り合わせは昔ながらの手作業。
こうして、エンヂンに魂を注ぎ込んでいくのですね。

仙:「はい、アーンして。痛くしないから。」
へ:「本当に?」
仙:「ホントホント」
へ:「…じゃ、アーン」 仙:「うそぷー♪ガリガリガリ」
へ:「ギャース!!!」 本当の傷みを知るヒトは誰にも優しくなれるのさ。
なかなか見ることのできない、プロによるポート加工の現場。
この時期、忙しい業務の合間を縫って、自身の愛機、某Oh!氏hara某氏、そして我がそらいろ号と、
立て続けにポートを削っていたので、実は相当にハードだったとゆう永冶氏。
なのに、レポートが一年越しなんて…。どゆこと!? (._.;) モウシワケナイ
元の加工の痕跡が少々残っていますが…。 バルブガイドの外を抜けてきた混合気が、
収斂して燃焼室に吸い込まれていく様を想像してみる。 磨き用の先端工具に付けているのは…、
なんと「ピカール」です。
…とか恐縮しているうちに、INポートがほぼ仕上がり状態に近づいてきました。も、萌え…(爆)
 
尚、EXポートはINポートとは削る場所が逆になり、
エキゾーストパイプに向かってキレイなカーブになるよう、出口側を重点的に削ります。
この形状が上手くできると、低速トルクを生み出すことができる。
どちらかというと、INよりEXポートの形状の方が重要なんだそうで、これもちょっと意外な気がしますね。
貴方の工具箱にも是非ひとつ。
コンパクトサイズもありまぅ。 削り跡のが少々残る梨地が、「萌え」ポイント。 横の穴は負圧パイプですね。
NAGのファクトリーにも、サンデーメカの必需ケミカル『ピカール』が!(笑)
安価で取り扱いも容易。僕ン家のガレーヂでも重宝してます。
一方で、インレットマニホールドの削り作業も進んでおります。
径が大きいぶん削る量も多く、円が歪まないよう、キレイに仕上げるには熟練の技術が必要。
スタッドの再生は仙人殿の得意技なんだとか。 画像はちょっと汚れているけど、
当然仕上がりはもっときれいでしたよ(汗 バルブもいつの間にか磨かれています。
折れたスタッドボルトも無事再生。EXポートの生々しい削り跡も「萌え」ポイントです。< もーええて
 
面が荒れていたバルブシートを修正します。
シートカット用の工具は、なんと旋盤用のバイトや角ヤスリを加工して永冶氏が自作されたもの。
なんでも造っちゃうんだなあ…。銅色の円形は、光明丹の跡ですね。
 
燃焼室は溜まったカーボンをざっくり落としただけで、鏡面加工等は施していません。
鏡面仕上げでも粗悪(笑)な仕上げでも、馬力に変わりはなく、
むしろ、多少荒れていた方が燃料の剥離性が良いと言われます。
(ガラス面をベターっと流れる水を想像してください。なかなか壁面から離れません)
SRXのウィークポイントのひとつ。 定期的に乗っていないと、オイルが切れてこうなる。 カムはキレイでしょ。
ヘッド側のカム受け。SRはベアリング保持なのに、設計が新しい筈のSRXがプレーンメタルて。
軸受けは、ロッカーアームによって押さえられているので、ストレスを受けて傷になりやすいところです。
幸いにも、カムの軸面はキレイな状態でした。
パッケージは「三丁目の夕日」仕様。 仙:「痛くしないからねー。」
へ:「やめて〜」 仙:「こちょこちょこちょー。」
へ:「えひゃっ。えひゃひゃひゃひゃ」
青棒と呼ばれる鏡面仕上げ用の金属磨きで磨きます。リューターの先は硬質フェルト。
優しく削って、小さな傷を滑らかに修正していきます。
実のところ、ここまでの作業は期待していなかったので、嬉しいやらありがたいやら申し訳ないやら。
道具の次は緊迫プレイ。 カムはキレイに磨耗して、ローカムになっています。(いやマジで) STDは迂闊に触ると切れるくらいにエッジが立っています。
カムシャフト側も、合成セーム革に青捧を塗り、磨いていただきました。
仮組を前に、カム側面のエッジも落とします。至れり尽くせりです。
 
次回は、いよいよこのスペサルヘッドが仕上がって、僕ン家に帰ってきます。
復活間近!?いやいや、これが期待を裏切らないどたばたの連続だったりして orz

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Special THANKS : (株)NAG S.E.D.代表 永冶 司様 & harabow氏 Blog『趣味の徒然』 


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