カタナ月記   Last Update: 2007/02/02 First Update: 2006/10/10


ブレーキ強化するぞ計画 <その4> 〜サンスターディスク装着編

この計画をHPで初公開したのは昨年7月だが、以来一年三ヶ月、全く進展がなかった。
というのも、ディスクもキャリパーも用意してあるのに、
キャリパーサポートが、待てど暮らせど仕上がってこないからだorz

そりゃ、確かに急がなくてもいいよとは言ったけれどさ…。

キャリパーのセンター出し用シムまで付属している。     スリットタイプのみで、ホールタイプは設定されていない。


ここに至って、とうとうmakotoさんはワンオフサポートを諦め、
サンスターのトラッドタイプディスク(旧車レース用) を購入。
φ320のディスクローターと、40mmピッチのBrembo用サポートのセット。
(写真に一緒に写っているキャリパーは僕が用意したもの。)

本当は黒のインナーが良かったけど、一〜二ヶ月待ちと言われて、即納の金をチョイス。
サポート製作をキャンセルしてしまった件については仁衡氏に申し訳ないと思うが仕方がない。

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とにかく部品が揃ったのだから、早速、取り付け開始。
ブレーキ関係の作業はできればプロに任せたかったけれど、今回ばかりは気まずくて自分でやることにした。
まあ既成品のボルトオンだから、大丈夫でしょ。

サンメカっぽい作業方法。 長いことお世話になったSTDディスクとキャリパー かなりの距離を走っているパッドだが、
殆ど減っていなかった。
それだけ効いてないってことだ。
フロントを浮かせて整備する時、僕はクルマのジャッキで車体を持ち上げている。
メンテナンススタンドが欲しいけど、これで結構安定している(?)のだ。
STDキャリパーのブラケットは、鉄ッチンでとても重い。スライドピンを兼ねるボルトも太く重い。
 
関係ないけど、刀のキャリパーサイズとディスク径はボルティー(250cc単気筒、20ps)と同じだ。
刀はダブルディスクだけど、何故か目頭が熱くなる。
新兵器、Shu-pro-1が活躍! ディスク固定ボルトは、以前、GSX-Rのそれに交換している。 鈍く輝く金の皿♪
実は、新品ディスクは結構汚れているし、在庫している間に錆びないよう、油分も残っている。
パーツクリーナーを吹いてウェスで拭き取ると、ホーニングの溝に詰まっていた鉄粉がこんなに出てきた。
新品ディスクはある程度距離を走らないと効かないてのは殆ど迷信で、
ちゃんとキレイにしてから使えば、すぐアタリがついて効く様になる。新車のブレーキも同じ。
 
ディスクを固定するボルトはねじ止め剤で強固に固められているので、
軽くバーナーで炙ってから緩めるとラク…な筈だったが、暖めてもむちゃくそ硬い。
ヘックスボルトを舐めてしまうかと思った。
一枚モノでは実現できない強度を稼ぐための工夫。 スライド式カラー。装着すると殆ど見えなくなる。 こんな感じです。
サンスターのスペサルサポート。
一枚モノでは実現できない強度を稼ぐために考案されたコの字型の形状が個性的。
公差を吸収するため、スライド式のカラーが圧入されている。
今回は必要なかったけれど、キャリパーセンター出し用のシムまで付属しているのだ。
ホースカットは普通のニッパで大丈夫。 もう少しメッシュをほぐした方がラクに組み立てられる。 旧い車体だから、ここだけミョーに目立つ。
馴染むまで洗車禁止?
ブレーキホースをニッパでカットしてナイロンパイプをプライヤーと鑢でキレイに整える。
外側のメッシュを少しほぐしてハンマーでオリーブを叩き込み、ナットを締めればフィッティング完成。
ナットの二面巾は11mm。何時買ったか憶えてないけど、持ってて良かった(笑)
 
オリーブの材質は、柔らかい真鍮性が良い。アルミは腐食するし、ステンは硬くて潰れないから。
 
キャリパーボルトを本締めするときは、位置決めを慎重に行わなければいけない。
サポートを介することでキャリパーをフォークに固定するボルトの数は倍に増える。
従って、遊びも倍になる。
STDではありえないことだが、気をつけないとパッドの当たり面がディスクの外にはみ出してしまう。
 
キャリパーはホイールの回転方向に軽くズラして本締めするのがセオリーだけど、
僕の車体では、逆にフォーク側に押したところでパッドとディスクの位置関係が揃った。
スナポンもちょっとは持ってるけど、
基本的に梨地系工具が好き。 何をどの作業に使ったのかわかるかな〜? フルードは使ったらビニールテープでマスキングして、
湿度を吸うのを防ぎます。
いつもの様に、使用した工具様たち。これで全部…だったと思う。
一番左の画像は、ホイール脱着とディスク交換時。真ン中と右がフィッティング組み立て&エア抜き時。
見慣れない、アルミ製のスプレーボトルは『Shu-pro-1(シュプロ・ワン)』と言って、
NAG S.E.D.のキャブ仙人殿が造った傑作ツール。
要は詰め替え式のパーツクリーナーで、噴射パターンも調節できてスゲー便利。
フロンガスと缶ゴミが出なくて環境に優しいのだ。尚、現行型は、ステンレスボトルになっている。

うをー職場の壁紙にしてー。

試走してみると、制動力の向上は当然として、
ブレーキレバーを握った時のフィーリングが格段に良くなっていることが印象的だった。
街中を流す限りでは、心配していた効き過ぎの弊害は感じられない。
普通に使える至極まともなブレーキである。

嬉しいことに、懸念していたディスクの大径化に伴うばね下の重量増はなかった。

STDのブラケットが鉄製で重いため、ディスク径がφ275→φ320と大きくなったにも関わらず、
キャリパーも含めたトータル重量ではこのキットの方が軽いのである!
サンスターのエンヂニアさんは、ひょっとしてここまで考慮して開発してくれたのかしら。
いずれにしても、キット装着後にハンドリングの変化が生じたとすれば、それは純粋に制動力の向上に拠ってもたらされたものということになる。
回転方向のマスが増加したことによるジャイロ効果増大の影響はあるかもしれないけれど。

  STD サンスター+Brembo
ディスク 1,540g 1,790g
キャリパ
(サポートまたはブラケット含む)
1,490g 1,165g
(Brembo単体は855g)
合計 3,030g 2,955g

ハード・ブレーキングでは、さすがにフロントタイアが悲鳴を上げ始めるが、
今時のオートバイはみんな簡単にタイアをロックさせるくらいの制動力を持っているし、
Bremboの純正パッドは効力の立ち上がりが緩やかでコントローラブルだから、
慣れと、フォークのリセッティングで何とかなるだろう。

あらためて見ると、やはり貧相なブレーキシステムである。     ブレーキラインは少し残し過ぎたかも…。
でも、フォークが伸びきった時の余裕は必要だし。

装着前後の比較写真。

僕の刀号には、下の方に金色が割と多いから、そんなに浮いてない…よね?
キャリパー黒だし…。

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