カタナ月記   Last Update: 2013/04/07

クラッチが切れなくなった話

久しぶりの更新は、

「以前、紹介した純正流用がだめだめでした。良い子は真似しないでね」

…とゆう、とっても後ろ向きな内容です。すいません。

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このワッシャ見たとき、イヤな予感はしたんだよ。
・上がGSF1200のナットとワッシャ。下がGSX-RのナットとGSX1100S刀のロックワッシャ。

3年くらい前の話です。
刀の…、というか、スズキGS/GSX系エンジンの持病である“クラッチロックナットの緩み”対策に、
同じスズキのGSF1200のロックナット&ワッシャを使用しました。
予めナットにねじロックが塗布されたりしてあったので、イイカナーと思ったんだけれど、結果は大失敗。
(※GSF1200が良くないてことじゃありません。浅はかな考えで他車種の部品を流用した僕が愚かなのです。死ねばいい)

もともと刀には、ロックワッシャが採用されています。
だから、仮にナットが緩んだとしても、カウンターシャフトの切り欠きに引っかかって、軽くガタが出たところで止まってくれる。
シフトタッチが悪くなったり異音が出たりするけれど、クラッチを操作することはできる。
だから、殆どのひとはナットが緩んでも気づかずに乗っている。

でも、GSF用はスプリングワッシャだから、
一度緩み始めると歯止めがなくて、どんどん緩んじゃうんです。
緩んで緩んで、しまいにはナットが外れちゃう。

作為はありません。まjでこの状態でした。
・プレッシャープレートを外したところ。ナットどこー。

すごいベタに感じた光景。
・落ちてたorz


クラッチロックナットが外れるとどうなるか。

クラッチが切れなくなります。

常時繋がりっぱなし。レバーだるんだるん。
原因は違うけれど、症状はクラッチワイアーが切れたときと同じです。

いちおう走ることはできます。知識として対処法を知っておいて損はないかもしれない。
止まるときはニュートラルを出してエンジンを停止。
発進時は一速に入れてセルで車体を前に押し出し、エンジンが始動したら、すかさずスロットルを当てて加速する。
ただ、セルに大きな負担がかかるから、極力やらない方がいい。
道路状況をこまめに読み、可能な限り、バイクを止める状況を回避しましょう。セル壊すと高くつくよ。

押しがけという手もあるけれど、道にちょっとでも上り勾配が付いていたらアウトだし、
交通量が多い幹線道路で始動に失敗すると、とても危険です。

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ツーリング先でこのトラブルに見舞われた僕は、
クラッチが切れない状態(もちろん半クラもなし)で100km以上走る羽目になりました。
しかもそのうち約30kmはガチの渋滞とゆう…。
もうね。ふつうに泣きそうだったですよ。

世の中にはクラッチを使わなくてもスムースなシフトチェンジが出来るひともいるけれど、
ざんねんながら僕はそうじゃない。そこまで運転、上手くない。
信号に引っかかる度、「これ以上、壊れないでくれ」と願いながら、
初めてクラッチ付きの二輪車を運転するド初心者のように、ぎくしゃくとぎこちないゴー&ストップを繰り返す。
“這う々々の体(ほうほうのてい)”とは正にこのこと。

どうにか家まで走り切ってくれたマシンに、ただ感謝という感じでした。
刀号、ありがとう。オーナーが僕なんかでまjゴメンよ。

折り曲げるのは別に1箇所だけでなくてもいいてことに、
今更ながら気づいた。
・ロックワッシャを折り曲げてナットに密着させています。もう緩んでも平気!


その後、クラッチ周りを以前の仕様に戻しました。

GSX-Rのナット(09159-24010)と、刀のロックワッシャ(09167-25007)の組み合わせです。
経験的に1万kmくらいは緩まないし、前述のとおり、緩んでもナットが外れることはない。
本音としては、いい加減ガタが来ているハウジングも含めて、まるっと交換したいんですけれどね。

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おまけ。

GSX1100S刀、GSF1200、GSX-R750のクラッチロックナットを比較してみました。

おまけ画像。

二面巾は、刀用のみ32mm、他は30mm。

厚みは、刀用とGSF用が8mm、GSX-R用は10mm。
GSF用はボックスソケットの引っ掛かりが浅く滑りやすいため、締め付け時にやや神経を使います。

裏返すと、GSX-R用のみ雌ねじの周りに面取りがありません。
そのぶん座面の面積が広く、平面部の仕上げもしゃきっとしているので、見た目すごくしっかり感がある。
反対に面取りが大きく、座面の面積が狭いのがGSF用。
写っているのは一度使用したナットだから、多少傷が入っているのですが、新品でも質感は他と比べてやや安っぽいです。
しかし、価格はGSF用が最も高い。

GSX-R用だけ色が黒っぽいのは、(強度を上げるために)熱処理を施しているものと思われます。

同じスズキ車の同じ箇所に用いられているナットなのに、結構、違いますね。
耐久性&信頼性は、やはりGSX-R用が優れているんじゃないかなあ。部品番号もいちばん大きいし。

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ところで、GSX-Rは28年も造られ続けているバイクですが、
実は僕、このナット(09159-24010)がどの年式のGSX-Rに用いられているのか知らないんです。
バイク屋から水冷用って聞いたけれど、油冷でも用いられていることがあるらしい。でも、GSFも油冷だよね。まあいいか。
いい加減なHPですみませんw

今回は、謝罪に始まり謝罪に通じて謝罪に終わりました。もうホントに死ねばい(ry

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