カタナ月記

エンジンを半分だけばらしてみた <その7> 〜 とりあえず完結…。蘇える銀狼編

Last Update: 2003/02/16

とうとう刀号が復活した。

実際にエンジン音を聞くまでかなり心配していたが、
どうやら大きな問題はない様子。

そのこと自体はとても嬉しいのだけど、
実を言うと、走り出した今でもまだ、不安の方が大きい。
僕なりに注意して組み上げたけれど、それが僕だからこそ信用できない。
でも、今後、距離を伸ばし、身を以って信頼性を確認していくことで、
不安は少しづつ解消されていくと思う。
(勿論、壊れたり、トラぶったりしたら、明かりを消した部屋の隅で膝を抱えて落ち込むと思う。)
まだ慣らしレベルでしか走っていないけれど、
蘇えった刀号は、以前よりメカノイズや振動も少なく、
非常にスムーズに回転るエンジンに仕上がっている。(当社比)

さて、レポート(↓)では、仕上がるまであと一息なのです。

CRCのおかげでジェット類の詰まりは皆無だった。

 Hu-techにキャブを持ち込んで、ばらし始める。(僕の刀号のキャブは、FCRの37φ。)

 キャブの長期保存の際、ガソリンを抜いておくだけでは実は不十分。

 場所に拠ってはガソリン溜まりができて、そこだけが腐ることも充分に考えられるから。

 そこで、ジェット類にCRCなどの浸透潤滑油を吹き込んでおくと良いと思う。

仁衡さんは、ガソリンを入れたまま、時々中身を入れ替えて保管しているとのこと。

 で、それでOKかと思っていたら、FCRの場合、別に注意するべき点があるそうだ。

 赤い矢印の部分にあるフロートバルブシート。放っておくと、この奥にあるOリングが固着してしまうとのこと。

 真鍮製のデリケートなパーツなので、外す時は慎重に…。

 (これが結構固く嵌っているんだ。僕はラジオペンチで外したので、ちょっと傷つけてしまった。)

ピックツールで取ろうとしたら、あっさり破けた。

 問題のOリング。

 ガソリンが乾いてできた滓みたいなものが、ちょっと付いている。

 洗浄すれば使えなくもなさそうだったけれど、仁衡さんに新品を用意して貰ったので潔く交換。

手抜きっぽく見えるけれど、FCRの完全OHはあまりにも大変なのです。

 ウォッシャーを借りて、キャブを丸洗いする。逆さにして洗っている点がポイント。

 トップカバーを外して逆さに洗油(ガソリン)を吹き込めば、ボディに溜まったダストは洗油と共に下に落ちていく。

 FCRのスライドベアリングは樹脂製だから、普通のキャブクリーナーだと部品が溶けちゃうことがあるそうです。

 掃除が終ったら、稼動部に軽く潤滑油を吹いておく。

キャブはもっとエンジンに近づいて欲しいところだが、カムチェーンアジャスタがFCRに当たって、これ以上は無理。

 自宅に帰って、キャブを取り付ける。

 インシュレーターを新品にしたので、シリコンオイルを塗ってもスピゴットの嵌め込みが結構きつかった。

ばらした時期が夏だったので、2月ではセッティングが薄いみたいだ。

 2、3回軽くアクセルを煽って加速ポンプを働かせ、燃焼室のガスを濃い状態にしておいてから、セルを回転す。

 少しはむずがるかと思ったがあっけなく始動。んぼぼぼぼぼぼぼぼ…。

 エンジンからの異音は…、まあ、以前よりは静か。こんなもんでしょ。

集合管が汚れないように、ダンボールで保護。

 フラッシングを行なう。新しいオイルを入れてエンジンを暖めたら、軽く10km程走ってそれを抜く。

 MOTUL 300V 4T Competition 15W-50 を、たった10kmで交換…!

 なんかすごくもったいない気がするが、出てきたオイルはしっかり汚れていて、

 廃油を受けるバットの底には、スラッジがそこはかとなく沈んでいる。オイルパンまで剥ぐっても、尚…。

刀は集合管が入っていると、左からのアングルがすごくスリム。

 そんな訳で、エンジン半ばらし記はとりあえず完結。

 久しぶりに乗ってみると、刀はやっぱり重くて、うるさくて、止まらない。

 ブランクが長かったせいもあり、初めてビッグバイクに跨るかの様におっかなびっくりで走っています。


ところで、タイトルにある『蘇える銀狼』というフレーズは、
以前、僕が転倒して壊した刀号が復活した時、仁衡さんが携帯メールで使ったもの。

ちょっとイケてるでしょ?

Special THANKS Hu-tech     
本当にお世話になりました。これからも宜しくお願いします。

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