カタナ月記
Last Update: 2014/12/14   First Update: 2014/12/6

刀で袖ヶ浦フォレストレースウェイを走る パート2

おれってつくづくメンタル弱ェと思うことしきりの今日この頃です。

何もせず何も考えず、ただひたすらぼーとするだけの時間が、
男には、“ぜったいに”、必要だと思うんだけれど、そう考えるのは僕だけなのだろうか。
ぼーとする時間を確保すると、週末、がっつりバイクを愉しむ時間がなくなっちゃう。
ぼーとする時間を確保しないと、遊ぶための気力もなくなっちゃう。


「ただの怠けものでしょう」という突っ込みは華麗にTroughします。


そんなわけで今年は袖ばっか走ってました。
袖とはつまり、袖ヶ浦フォレストレースウェイのことです。
サーキット走行たって、たかが30分×2本。現地までの往復と合わせても走行距離は250km弱。
半日で終わっちゃう。午後2時過ぎには家に帰ってぼーとできるw

知らない道をまる一日ツーリングするのに比べれば、 
よほど神経を使わず、インスタントに愉しめちゃうんですよね。

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ほぼ毎回、この遊びに付き合ってくださるのが、
CBR600RRのけんさんとKZ1000Mk.IIのブッチーさん。五十路のオサーンヅ。

おふたりとも、ええ歳こいてえげつない走りするんだこれがw


・けんさんのCBR600RRは、某ショップのもて耐レーサーを譲り受けたもの。白いレーシングカウルが迫力。


・ブッチーさん&KZ1000MK.II。三味線弾いて走ってることが多いw


走り慣れたコースとは言っても、ピットでの緊張をほぐすために仲間の存在はとても重要。
ひとりでは気が乗らないときだって、誰かが一緒なら、行動を起こす気になれる。
僕はもともと人見知りで引き籠り気味なとこあるから、
否応にでも(?)走らざるを得ない雰囲気を作り出して、
家から引っ張り出してくれるおふたりには、とてもとても感謝しています。

二輪の走行枠がある週末が近づく度、
「日曜半袖どお?」とか「雨降っちゃったけど、昼前には乾くよね?」みたいなメールをケータイでやり取りしながら、
現地で落ち合うタイミングを合わせるんですが、
この中学生みたいなやりとりがね。何だかいいのよw

今回は、けんさんが車載のGo-Proで撮ってくださった動画で、
2014年の袖遊びをダイジェストで振り返っちゃうよ。


CBR600RR@Sode14_6_21_Rd.1


タイトルどおり2014年6月の映像。
ちょっと距離が離れているけれど、4:30過ぎまでふらふら前を走っているのが僕。 

何故、けんさんともあろーひとが、僕ごときに追いつくのに2周以上もかけているのか。 
それは未だ昨年暮れの転倒リハビリ中であることに加え、O/Hしたばかりのリアサスの設定がおかしかったから。 
(O/H後のサスが元のセッティングとかけ離れたものになっているのは、割とよくある話です。)
けんさんほどの乗り手でも、一度転んでしまうと、 
乗れてない原因がバイクの調子なのか、自分のライディングのせいなのか、 
迷ってしまうものなんだなあ…。 

バイク乗りって、自分より上手くて速い人は、 
いつも容易くいい走りができるものと思ってしまうとこあるけど、けしてそんなことない。 

みんな迷いながら「もっと上手く、速くなりたい」て足掻いてる。
転倒すれば自信をなくして、自分の走りやバイクを信用できなくなることだってある。 
レベルの差こそあれ、みんなそうでしょ。たぶん。 
考えてみれば当たり前の話なんだけれど。 

上手くて速いひとにはやさしいひとが多い気がする。(もちろん例外はある)
それは、ままならず不安を抱えて走ることの辛さをいっぱい経験しているからかもしれないですね。


CBR600RR@Sode14_7_21After red flag


ブッチーさんと(ちょっとだけですが)一緒に映っています。
お互いにプレッシャーがかからないよう、なんとなく別々に走っていることが多いんですよね。
でも、コース上で絡んだら真面目に走ります。それが礼儀。

赤旗後でタイアが暖まっているので、
コース状態を確認した3周目からは僕もペースを上げているんだけれど、
調子がいいときのけんさんは僕より5秒以上速いから、あっという間に引き離されちゃう。
この動画は12分あるんですが、3分過ぎたら影もカタチも…。

たいへんだったのは、映っていないこの後。

今期、ブッチーさんはマシントラブルが続いて、まともに走れていなかった。 
Mk.IIは大枚はたいて不具合箇所をすべて直したとゆうけれど、これがシェイクダウンの一本目。
少なくとも最初のうちは、様子見の走りになる筈。
こちらは二本目で、コース状況も自分の調子もある程度掴めている。 
僕なりに頑張れば、ペースメーカーの役割くらいは果たせるかもしれない…。 


そんな殊勝な気持ちを抱いて前に出てしまったのが運の尽き。
むちゃくちゃ小突き回されましたw


「いやあ。悪いんだけれどさ。(19インチバイアスの)葱やんが大丈夫で、
 俺のタイア(前後17インチピレリディアブロスーパーコルサ)が行けないはずないもんw」 

「そ、そっすか(汗)」

「ヨユーなんだよねえ………」


このときひいひい言いながら出した1分21秒055が、今ンとこ、僕の袖のベストタイムです。
(ブッチーさんはその気になれば19秒台で走る)

あとコンマ1秒縮めれば、念願の20秒台だったのに。
セクション毎のベストを繋げた仮想ベストは20秒台半ばなんだから、 
何かの弾みで一回くらい20秒台に入ってくれてもいいじゃないか。
でも、これがなかなか入らないんだよねえ。 

けんさんに軽〜く千切られ、ブッチーさんに煽られまくる。 
袖を走り始めてからずっと変わることのない僕のポジションです。 

意外と気に入ってたりします。気楽だし、ひとの前を走る性格じゃないんでw


CBR600RR vs BMW RR1000@Sode14_7_26


メインストレートを通過中、ピットアウトしてくるけんさんを発見。
「1、2周はウォームアップに費やす筈だから、このタイミングなら近づける!」とゆう、
せこい皮算用でひっしに喰らいつく。

んが、高過ぎる路面温度が災いしてグリップが不足し、バイクが曲がってくれない。
コーナー出口でスルスルスルと孕んでいく刀。
1:30 あたりと 2:15あたりでリアがヌルッときてびくッてなってる。 
映像だとぜんぜん大したことなさそうだけど、ちょっとというか、かなり怖かったですw

後ろにいるBMW1000RRさんは5月にライセンスを取得したばかり。
(動画の後半に再登場します。)
この日までは僕とトントンの走行ペースで、自己ベストもちょっとだけ僕のが速かったんですが、 
けんさんに引っ張られてタイムを一気に2秒近く更新。 

敗けた…。そしてもう二度と勝てまい………。


袖ヶ浦FRW14_8_24


けんさんとバカッ速いGSX-R1000の絡みからスタート。

僕が登場するのは、1:35あたりからで、
オーバーテイクされた瞬間、映像が後方カメラに切り替わる凝った編集。
途中でギア抜けして思くそ姿勢乱してたり、けしていい走りができているわけじゃないけれど、
いつもより長くおっきく映っているので、個人的にお気に入りの動画ですw

この日のけんさんはサスセッティングをミスっていて、進入で度々リアをホッピングさせています。
そこに付け込んでブレーキングで差を詰める19インチ刀のけなげな姿が涙を誘うでしょ?w
2周もすると見えなくなっちゃうんですが。

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サーキットで遊ぶようになってから、こうして友人に走行中の動画や写真を撮って貰える機会が増えました。
嬉しいんだけれど、何ともこそばゆい、ヘンな気持ちです。
つい自分が映っているシーンばかりを繰り返し再生してしまうんだよねw

客観的に見て、僕の走りはぜんぜん大したことない。
「旧いバイクなのに、よくやってるよ」と言ってくれるひともいるけれど、
じぶんのレベルはじぶんで良くわかってるつもり。
似たような年式の似たようなバイクで、まるきり別世界のライディングをするひとたちを、僕は知ってる。
僕なんかより遥かにスゴい連中に、コース上で何度も会ってる。

何でこんなショボい走りなのに、見入っちゃうんだろう。
おれ、そんなに自分のこと好きじゃないのに。

ぼんやり考えていたら、ふと気づいた。

たぶん、自分なりにがんばってる姿だからじゃないだろうか。
ええ大人が真剣に全力でがんばる場面なんて、なかなかないよ。
仕事でも私生活でも、適当に手ェ抜いて、無難にこなすことに慣れきっているんだから。
モニタに映ってるのは、身体能力が確実に下降線を辿る四十路オサーンが、
なけなしの体力と足りない知恵とささやかな経験を注いで、必死になってバイクと戯れる姿で、
しかも、それは他ならぬ自分自身なんだもの。
そりゃ目が離せなくなるってもんさw

ナルシストと嗤わないで欲しい。
バイク乗りなんて、いい気になってると思ったら、次の瞬間にコケてショボくれてるかもしれない、
哀しく儚い生きものです。


・車体の中心にアタマを置くとか体重移動控えめにとかリアステアとか、旧車のセオリーガン無視の方向でw


12月ともなれば、自走組の僕とブッチーさんのサーキット遊びは完全に終了。
けんさんも寒い時期は自粛モードなんじゃないかな。
冬の間は、あちこちヘタッたバイクを整備して、身体が訛らないようにそこそこ運動もして、
そんで来年、暖かくなる頃に、また走り出します。

ここんとこ忙しくてなかなか更新できていないけれど、ネタは溜まっています。
年内にもう一回くらい、カタナ月記UPしたいな。

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