Last Update: 2012/6/20   First Update: 2011/10/28

午前4時50分。

雨粒が風で窓に叩きつけられる音で目が覚めた。
降っているというような生易しいものじゃない。嵐である。
せっかくの走行会だけど、こりゃダメだな…。

僕は枕もとのケータイを手に取り、布団の中から漢にメールを打つ。


「とても走り出せる天気じゃなさそうですよ。ホントにバイクで来る(逝く)ですか?」


しかし、漢は既に、走り出しているに違いない。
彼はこの日、自身初の膝擦りを達成するために、愛機にウルトラスーパーハイグリップタイアを奢ったのだ。
ドライで走行できる可能性が1%でもあれば、絶対に諦めることはしないだろう。

真夜中のサンダーロード、横殴りに叩きつける雨も厭わず、
革つなぎの上にカッパを着て、下道自走で、シールドと眼鏡を鼻息荒く曇らせながら、着々と前進を続けている筈だ。
その禍々しいオーラを僕は感じ取ることができる。
半ば諦めの心境でベッドから身を起こす。
濃い珈琲を淹れ、バナナとヨーグルトだけの簡単な朝食をとり、時間をかけて意識を覚醒させる。
ややあって、唐突に雨音が止む。
強風で勢いよく雲が流れてゆく。遠くの空には僅かながら晴れ間も見える。


ケータイの着信音に設定した“ぶーしゃかLOOP”が鳴る。
(待ち合わせに指定した時間の50分も前に)


底抜けに明るい声で漢は切り出した。

「もう(待ち合わせの場所に)着いちゃいました。雨も止みそうですよ♪」

さすがにこれだけの意気込みを前にして、「ウェットだから見学にしますー。えへっ♪」と、
クルマで登場するなんてKYな真似はできなかったっす。

移動中、クルマのドライバーの視線が、かわいそうな人を見る目だったよ…orz

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現地近くのミニストップでnabe氏と合流して、京葉スピードランドまで先導して貰う。
ありがたいことにトランポの方々が自走組に気を使って(?)、屋根つきの場所を空けておいてくれました。

さてコースは…。あたり前ですが、完全にフルウェットコンディションですよorz=3=3(ブゥブゥ!)

33氏は入手したばかりのトランポで参戦。スバルサンバークラシックとは、車種の選択が渋すぎです。
コアラみたいな顔が可愛いですよねw

地べたにドカシー(百均じゃないぞ)を敷いただけの僕らのピットw
一日中、革つなぎ姿では疲労が激しいため、走行の合間は軽装に着替えてリラックスするのです。

ガムテアートの巨匠、takaちゃんが、nakamura氏にゼッケン“雨”を進呈w

今回のSingleNuts!は、SRXがスポーツクラスの殆んどを占めました。

朝練中に転倒して、左足首の靭帯を切っちゃったtakaちゃん。
本人曰く、山汁(雨上がりの峠道でときどき出くわすアレ)を避けてラインを変更したところで、
橋の継ぎ目に載ってしまったのだとか。もちろんDNS。いたそー!<(>_<;)>

しかし、怪我をしても挫けたり不貞腐れたりしないメンタルの強さは、是非見習いたいところです。
よく転ぶところは見習ってはイケナイw

バズーカ砲を構えるnabe氏。キャンギャルがいないのがなんともざんねんw

日本一敷居の低い走行会を自称するSingleNuts!の、朝ミー開始。
「サーキット走行初めてのひとー」「はーい」「…ああ、旗の説明しなきゃだめ?(^ ^)ゞ」
主催のNAЯI氏とこきち氏が、こんな温いノリで仕切りますw

無地のゼッケンプレートを見咎められ、しっかりtakaちゃんの餌食となったよしでよし氏のマシンw
ゼッケン“山汁”てwww

一部で物議を醸した、パフォーマス・ピストン、猥s…。スペル間違ってるジャンw

ちーさんが運転するトランポの中で仮眠ばっちり!?ご機嫌のだるちゃんw

takaちゃんに膝擦り講習を受けるnakamura氏。
もっと、シートの角に尻の割れ目を持っていくくらい腰をずらして!(`Д´)/」
「まjっすか?すげー不自然なんですけど…(゚д゚;|||)」
「それができずに膝擦ろうとすると、コケるよ!?」「わわわかりました」

一見して、ほぼノーマルに見えるよしでよし氏のマシンですが、
リアにはこっそり(?)、NITRONのフルアジャスタブルサスペンションが奢られています。
タイアはハイグリップバイアスの最高峰、TT900GP。コワイヨーw

さて、間もなく走行開始です。
だるちゃん(ストリートクラス)とちーさん(スポーツクラス)は同じマシンを用いて交代で走行。
このふたり、体重差30kg以上あるんじゃないかしら?w

なんと、元WGPライダーの新垣選手もSRXで参加!…て嘘ですがw
この革つなぎは、昨年、事故で亡くなられたこうぞ氏の遺品をチャリティ・オークションにかけたとき、
サイズがぴったりだった33氏が落札した(というか無理矢理押し付けられた)ものですw

雨は上がりましたが、コースコンディションはまだフルウェット。水溜りもあちこちにあります。
皆さん、バンク角を抑えて慎重に周回。

ここはサーキット経験値が豊富なレーシングクラスから走行を開始したほうが良かったんじゃ…。
…とも思いましたが、ハイグリップタイアを履いてるマシンが先にコースインする方が却って危ないかw

愛機のセットアップに悩むBEN太郎氏。
「伸び側減衰って、いじるとどーなるの?」
「軽快なバイクにしたければ弱めて、安定感が欲しければ強めれば良いんですよ」
「とりあえず5クリックくらい強めてみましょうか」
(走行後、)「わかりませんでしたw」
世の中、そんなもんですよね。

「ど、ドライの予感だ…?」
初秋の優しい風を頬に受け、恍惚の表情を浮かべる33氏w
撮影したのは、ちーさん?だるちゃん?

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