そらいろつうしん

 First Update: 2012/03/18  Last Update: 2013/05/09   ※ボルトオンじゃねーぞってとこを大きな文字にした。


シェルパのレギュレータを流用してみた

オルタネータで発電した交流電気を直流に変換し、
バッテリーの充電電圧を一定に制御するのがレクチファイア・レギュレータのお仕事。
二輪の場合、省略して“レギュレータ”と呼ぶことが多い。

レギュレータが壊れると、バッテリーが上がったりヘッドライトやウインカーのバルブが切れたりと、
電装系の部品が芋づる式に壊れていく。

SRXの…というか、'80年代のヤマハのレギュレータはよくパンクすることで知られており、あまり評判が芳しくない。

しかし、レギュレータのパンクは他の車種でも割とあるトラブルだ。
20年以上前に生産された車両であることを考えると、
たった一度のトラブルで「信頼性が低い」と断ずるのは、ちょっと気の毒な気もする。
そらいろ号('85年式)のレギュレータも12年前に一度パンクしているけれど、
前オーナーが交換していないと仮定して、少なくとも、それまでの15年間はノントラブルだった。

そして、そのときに新品にしたレギュレータも、既に12年使用している。
「そろそろ交換したほうがいいんじゃないですかね?」というのが今回のお話。

箱までみどりいろとゎ

用意したのは、何故かカワサキ スーパーシェルパのレギュレータ(笑)


   部品番号:21066-1108
   部品名:レギユレ-タ(ボルテ-ジ)
   税込単価(税抜):8,883(8,460)円
   (※2012年3月15日現在)


SRX乗りは、壊れても素直に純正新品ではなく、
より低価格で信頼性の高そうな(雰囲気を醸す)他車種のレギュレータを探し、
わざわざ流用加工して装着している捻くれm…例が多い。
比較的メジャーなのは、同じヤマハのXJR400用だろうか。


【先人たちの偉業リンク】BLKおぢさんとこgizmoおぢさんとこ


僕も先人の例に倣い、何か一工夫しようと検索してこれを見つけた(笑)

シェルパのレギュレータは、端子形状とサイズ(ねじ穴の位置)がヤマハと一致する。
付け加えるなら、製造元も同じ新電元工業だ。

これでボルトオンなら言うことなしなのだけれど、
ざんねんながら、そーはいかない。

初期型SRXの発電機は単相交流式。
対して、シェルパを初め、現在の中型以上のオートバイの殆どは三相交流式なのだ。
当然ながらレギュレータの内部構造が違うんだよね。

立派な冷却フィンがいい感じじゃないですか。 レギュレータの回路は、樹脂だかゴムだかで護られている。 パーツばんごうぉ

初期型SRX(1JK)のレギュレータと、シェルパのそれを並べてみる。
冷却フィンが付いて、一回り大きい方がカワサキ。

レギュレータは抵抗を通過させることで過剰な電力を抑制しているため、走行中はかなり熱を帯びる。
だから冷却フィンが設けられているのがふつうで、
1JKのような、“軽量化命!”的な形状は珍しい(と思う)。

シェルパのレギュ、フレーム固定ならアース不要なんじゃない? デイトナさん、地味ながら良い仕事♪ 配線はHu-techでわけて貰った

BLKおぢさんとこで、三相用のレギュを単相に使用しても、
端子がいっこ余るだけで何ら問題はない
ということは事前に知っていた。(先人の功績に感謝!)

配線の違いはこんな感じ。
シェルパのレギュ(三相交流式)は白が一本多く、黒(アース線)がない。
実は本体そのものがアースになっている。
フレーム固定ならアース線を繋ぐ必要すらない。なかなか合理的ですね。

ありがたいことに、近頃は形状が特殊なコネクターも二輪用品店でふつうに手に入る。
ちゃっちゃとコンバート・ハーネスを作成しますよ。

先に買ったのはFK-1。FK-5は後から見つけた。 個人的には、もう少し先端がコンパクトであって欲しい。 正確には「飛馬さんに開けてもらった」なのだが。

僕が愛用するエビ(LOBTEX)の電工ペンチ。
ペンチ自体に充分な厚みがあり、精度もしっかりしているので、とてもキレイに端子をカシメられる。
二輪の整備用として個人的にお奨めするのは、右のFK-5。
カシメが先端に付いているとこがポイントで、狭い場所での作業に有効です。
(裸圧着端子の圧着ができないが、二輪の整備で使われることは殆どない)

ベースプレートにシェルパのレギュを固定するための新しいねじ穴を開けます。

初期型SRXのレギュレータはシートカウルの下。
スペースがあるからって、
ここにメンテ用のウエスとか詰めちゃうと、
熱がこもって危ないよw 市販のねじはサイズが5mm単位だからねえ。 ワッシャが中古だw

そのままだとベースプレートの固定ボルトに干渉しちゃうんだよね。
レギュレータ本体を固定するボルトも、純正より少し長いものが必要。
でも、M6×25mmの汎用ステンねじで仮り組みしたら、ちょっぴりはみ出しちゃった。
アース端子+ワッシャ一枚を噛ますことで対処します。

コンバート・ハーネスを外せば、純正も使える。 トリクル充電後で元気いっぱいのバッテリー♪ ノーマルでも似たような数値です。

完成図。ええ感じなんと違う?
イグニッションオフの状態で、バッテリー端子電圧は12.6V前後。
アイドリングで14.5V前後。3,000rpm〜4,000rpmだと14.6V前後で安定している。
ちなみにS/Mの基準値は2,000rpmで14.8V±0.5Vです。


ところで、初期型SRX(1JK)の純正レギュレータを、
ヤマハの部品検索サービスでひいてみると、次のようになっている。

   部品番号:1JK-81960-A1
   部品名:レクチフアイヤアンドレギユレータアセンブリ
   価格(税込):7,991円
   (※2012年03月15日現在)

シェルパのレギュより安いジャンorz


…さらに調査を進めてみると、
台湾ヤマハ製マジェスティ125のレギュレータが、今回用いたシェルパのレギュと同一形状で、
しかも、某オクにて2800円で新品が買えてしまうことがわかった。

Made in Japanではないけれど、
ヤマハの純正部品であることに変わりはないし、約1/3の価格は魅力的。
送料を計算に入れて、スペアを購入してもお釣りが来る。

オクより高くなりますが、ヤマハに発注してもふつうに取れるようです。

   部品番号:5AG-H1960-00
   部品名:レクチフアイヤアンドレギユレ−タアセンブリ
   価格(税込):6,153円
   (※2012年03月15日現在)


…というわけで、

1.ヤマハの純正部品の方が安価で
2.ボルトオンというわけにもいかず
3.同じもの(台湾製)が1/3の価格で手に入る


みごとな三段オチが付いたところで今回のレポを終わりますor---z


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