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・二台目のイレブン刀。なかなかにアタマの悪い光景であるw
友人の家は自宅から歩いて5分くらいのところにある。 クリスマスイブの朝、友人のお父さんと弟君も手伝ってくれて3人がかりで刀を押して運んできた。 サンタさんが僕にくれたのは、不動のイレブンカタナ。 そういえば故人の誕生日は12/25だった。 なんちゅー因縁や…。 今回の計画を友人の両親に伝えたら、すごくびっくりしていた。 あの不動車のエンジンを蘇らせるつもりでいるとは、さすがに思わなかったらしい。 友人はちょっとしたヨシムラマニアだったから、なんぼか供養になるかな。 僕だって未だに信じられないけれど、もう転がり始めちゃったからね。 行方不明だった書類も見つかった。 僕の刀は'87年式、友人の刀は’90年式で、俗に言う70th Anniversary Modelである。 エンジンの型式は同じだから、載せ換えても車検証の変更は不要。 書類付きフレームの存在は、いざというときに心強い。
・約二十年の放置プレイでだいぶ腐食してしまったエンジン。先ずは洗車だね!さて、中身は…?
事故車であるにも関わらず外装にそれほどダメージが見られないのは、 友人の死後、「せめて外観は整えておこう」と仲間うちで部品を持ち寄り修理したから。 ハンドルとトップブリッジは、僕がスペアで持っていたものを提供した。 (すっかり忘れていたけれどw) 初めてこのバイクに乗ったときのことを少しだけ思い出す。 「いいから乗ってみろよ」 そう促されて、いざ走り出してみたら何だか妙に愉しくて、 借りもののバイクであることを忘れて1時間以上も乗り回してしまった。 大柄と言われるポジションもすっと身体に馴染んだし、 重い曲がらないと言われていた割に、それがちっともイヤじゃない。 どのくらい重いのか、どれだけ曲がることができるかを、過不足なく乗り手に伝えてくるバイクだったんだ。 今どきのバイクのように乗り手が必要な情報をオミットしてない。 これなら安心して身を委ねられる。 それまで空冷四気筒には一度も乗ったことなかったけれど、 シューンファーンと無機質に吹け上がるのではなく、 腹の底から湧き上がってくるトルク感と、重いクランクを力づくで強引にぶん回転すフィーリングがとても新鮮だった。 それを、じぶんの右手ひとつで意のままに呼び出すことができるのだ。面白くないわけがない。 こんなバイクがあったのか。 帰りが遅いのを心配した友人がパニクって僕の実家にTELまでしていたというのに、 僕があまりに上機嫌で戻ってきたものだから、半ばキレかけていた友人も釣られて顔を見合わせ一拍置いて大笑い…。 あれが僕の刀初体験だった。
・はたしてどんな怪物に生まれ変わるのだろうか(どきどき)
ひとと同じ結果を得るのに、ひとより余分な手間と無駄な時間と余計なお金を浪費して、 さんざん遠回りしてしまうのは、(誠に遺憾ながら)僕の性分である。 たぶん今回も苦労するんだろうなあw
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