カタナ月記   Last Update: 05/07/20


ブレーキ強化するぞ計画 <その3> 〜ANDF解除編

僕の刀は'87年型なので、ANDF(アンチ・ノーズダイブ・フォーク)が装備されている。


> ANDF解除するんですよね?
> ブレーキ強化するなら、先にそれだけやって、ANDFなしのフィーリングを確認しておいた方がいいですよ。
> 全部いっぺんにやっちゃうと、変化の原因がブレーキ強化のせいなのか、
> ANDFを解除したせいなのか分からなくて、セッティングに迷うことになりますから。


…と、仁衡氏のアドバイズ。なるほど、確かにそうだろうな。

高価なだけに、造形もなかなか凝っている。

刀系ショップとして有名な神戸ユニコーンさんがリリースしているANDFキャンセラ。

一応、レース専用部品なのだそうだ。
(刀のSTDフォークでレースに挑む人なんているのだろうか?)

真ん中のボルトの締め込み具合で、ANDFの効きを調整することができる。
強く設定すれば効きっ放し。弱く設定すれば、ふにゃふにゃキープ。
実は退化なのではとゆう気も少しする。
でも、ブレーキを換装した刀でANDFを残したマシンを見たことがないから、
なンかそれなりに理由があるのだろう。

このごしゃごしゃ感は嫌いじゃないんだけど。

 ANDFはブレーキの圧を利用してフォークの圧側の減衰を上げる仕組みなので、

 キャリパーとフォークがホースで繋がっている。

 この中にもブレーキ液が通っているので、ANDFを解除するならエア抜きもやり直しとなる。めんどくさいな。

フォークオイルは
毎年交換してます。

 蓋を外すと、ゴムパッキンが登場。

 刀に乗って8年になるが、今までANDFをばらすなんて考えたこともなかった。

 …過去のパターンからして、なんとなくこの先の想像がつく。

またこーゆう展開ですか。

 ごふぁ。

 やっぱりすんごいことになってました。

当たり前だけど、
国内向けのサービスマニュアルには
ANDFのメンテの仕方なんて載ってない。

 一応、掃除してみた。

 ボタンが押されるとフォーク内のオリフィスが閉じるらしい。(詳しくはよー知らん)

 結構出っ張っているので、キャンセラを用いても少し押された状態となる。    

なんでこうまで錆びるかなあ。

 サークリップも外して、真鍮ブラシで磨いて錆びを落とす。

 シリコンオイルを塗って再度組み付け。

 本当は全部ばらしてキレイにしたいとこだけど、それは次回のフォークOH時までお預け。

僕のみたくメンテせずに放置しておくと、
ブレーキフルードのかすが付いてたりする。

 ブレーキ圧を利用して作動するANDF。

 (そのため、ブレーキのタッチが曖昧になるという構造的な欠点がある。)

 この状態でレバーを握ると…、

ピンぼけした。

 中のピストンが出てくる。単純。そして、割と大雑把な動きだ。

KE45Tは1000円しません。
工具箱の中に一本いかが?

 ゴムパッキンがなくなってしまうので、

 変わりに液体ガスケットを薄く塗って組み付けることにした。

 旧車乗りの見方、『信越KE45T』。

左右でデザインの違うバンジョーが付いています。
まあその、一時だから。

 ブレーキとフォークを繋いでいたバイパスホースがなくなって、なンかちょっと寂しい。

 シングルのバンジョーボルトは、仁衡氏に貸して頂いた。(旧いスズキ車のバンジョーは細目ピッチ。)


…という訳で、ANDFを外しただけの仕様で軽く試走してみた。

第一印象は、「シ、沈む…。」

フロントの沈み込みを抑えるデバイスを外してしまったのだから、当たり前だ。
だけど、その感覚に慣れてしまえば他は普通で、意外にも良く曲がる様になってしまった。
同じ様にブレーキングしてもノーズダイブが大きいぶん、コーナー進入時のキャスター角が立っているのだろう。
フォークの作動性も上がったと感じる。
いつもハンドルが振られるのを覚悟で通過しているコーナーも、トトンッ、と言う感じでラクにクリアできる。

ネガもある。速度域が上がるとフロントの接地感が少々頼りない。
現在のフォークセッティングは、ノーマルスプリング+WAKO's G20の油面10mmUP。(フォークオイルは交換したばかり。)
ANDFキャンセラを少し絞めこむか、
あと5〜10mm程度油面を上げれば対処できそうな気がする。

---

しかし、そもそも中身がこんな状態(↓)だったので、
以前はANDFで制御された圧側減衰が、ブレーキレバーをリリースした後も戻っていなかった可能性が高い。

ぷち朽ち状態。
ANDF付き刀のユーザーは、時々ばらして中を掃除すると良いと思います…。


<その4> 〜サンスターディスク装着編 へ続く。

Special THANKS hu-tech     

カタナ月記のTOPへ

home