カタナ月記
Last Update: 2017/03/13

CRキャブの悩ましいスタータープランジャのお話

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当日、たまたまファクトリーに居合わせたTsuruさんが、
僕の刀のアクセルを握ってひとこと。


「これ、スロットルを開けていく途中で"ゴリッ"とするね」

「まjッすか!?」


僕自身は気付いていなかったけれど、
確かに開度1/8辺りで僅かに抵抗が大きくなるポイントがある。


競ってる?


「MJ締め過ぎて中子がズレたとか歪んだとか…」

「その可能性もあります」

「バラシてチェックしましょう」


加工済のスタータープランジャを組み、
車体に取り付けたばかりのキャブを、すぐさま外す羽目にw


「すぐ外せるでしょ?」

「ええまあw」


話の流れでこうなりましたが、ひとりのときだったら腰が重くて、「この次でいいや」になっていたと思う。
こういう、まめさんの“ちょっとした手間”を惜しまない姿勢が素晴らしい。


“ゴリ感”の原因はスロットルバルブと中子の隙間に埃だかゴミだかが付いていたことでした。


パークリとエアブローで掃除してあっさり解決。
キャブ自体に問題はなくて、ひと安心。
スロットルバルブがダイレクトに中子に接しているCRで良好な作動性を維持していくためには、
こまめなメンテナンスが必要とされるようです。

例によって、エアファンネルで乗ってるからなあ。
CRを長く使おうと思ったら、先ず気を付けなくてはいけないのは、
ゴミや埃が付着したまま使い続けて、スロットルバルブと中子を傷けてしまうこと。
FCRのときはずっとエアファンネルだったけれど、
エアフィルター装着するかな…。(※)約ひと月後に装着しましたw

こんな教訓も、ひとりだったら、なかなか気づくことができなかったよね。


スロットルバルブの抵抗を確認する方法はいたってシンプル。
リンクを外しバルブ単体にして、中子を往復させるだけです。
短い動画しか撮れなかったけれど、年間200機以上ものCRを組んでおられるだけあって、
まめさんの手際は分解も組立ても素晴らしいものでした。

目の前でそれを拝見することができて良かった。
ぜんぶをコピーするのは無理にしても、
「こうやればいいんだ。ヨシ、じぶんでもやってみよう!」て思えるよね。

まめさん曰く、ファクトリーを訪問したオーナーさんには、作業している様子をちゃんと見て欲しいそうです。
それは、オーナーから預かった大切なマシンを、
じぶんがどのように扱っているかを知って欲しいからでもあるし、自身が開発した部品をどのように組み、
どのようにセッティングを進めていくかを示す最良のテキストにもなる筈だから。
そして、「ひとは雇わない。じぶんがやらなくちゃ意味がないから」とも。

装着もセッティングもひとに任せっぱなしで気持ちよく走れるほど旧車は甘くない。
ユーザー側にも、ある程度の知識と整備スキルが必要です。
手練れのメカニックの技術を見るチャンスがあったら、しっかり見て、盗まなくちゃもったいないですよ。

ちょっとしたトラブルや骨折り損を笑い飛ばす精神力と、ほどほどの向上意欲もね。

その夜は、そのまままめさんと呑みに出掛けて、図々しくもお泊りしちゃいましたw
ご飯奢って貰って、濃イー話をたっぷり聞かせて戴いて、
風呂や着替えや布団までお借りして…。

いやー、楽しかった。思い出すだけでニヤけちゃうな。

---


翌日、好調になったバイクで地元房総にとんぼ返りして、
馴染みのワインディングを思う存分蹂躙したことは言うまでもありません。


コンビニの駐車場で何度かセッティングを変更しながらのミニツーリング。
ずっとリーク対策に追われていたので、それまでのセッティングデータはゼロクリア。いちからやり直しです。
とは言っても、CR-Mキャブレターの場合、まめさんのプリセッティングで8割がたOKなので、
エンジンの仕様やコンディション、排気系との相性に合わせて、ホンの少しアジャストするだけ。
この最後の部分のアジャストは、オーナーの仕事であり、特権です。

煮詰める余地はまだ少しあるけれど、
ようやく、ここ数か月の懸念事項がクリアされたんたもの。

今日は心置きなくワインディングを愉しんでしまおう。(だめなひとね)

何処をどう走ったか忘れちゃいましたが、
お昼ご飯も食べず、夢中になって走り回っていたことだけは憶えています。
皆さんご存知のとおり、ふだんの僕はとても大人しいツーリングライダーです。
でも、たまにヘンなスイッチが入ってしまうことがある。たまにね。

公道でクランクケース擦ったの久しぶりだわw


そしてこの日、僕の刀がとうとう新車になりました。 ぱちぱち。

今どきのバイクはデジタルメーターが主流で、
しかもキロが6桁表示だから、10万kmでゼロクリアなんてことはないみたい。

18年前に中古でこのバイクを手に入れたとき、走行距離は1万7千kmくらいだったから、
年間5千km前後しか走ってないことになる。意外と乗っていない。
メーターがオールゼロになったら、記念に新品のマイルメーターを奢ろうと思っていたんだけれど、
今や新品で7万円越えのプレミアムパーツ…。
そんだけあったら、おにぅのフォークスプリングとタイアをゲトしてOil交換もできる。

このメーター、折れた針を二回自作しているんですが、
どうも針が重過ぎるようで、タコがアイドリング拾わなかったり、示される回転数も割とめちゃくちゃですw
サーキットだと1万1千rpmくらい回転っちゃうからね。
ノーマルでそんなんある筈ないでしょ。

まあ、メーターなんて正確じゃなくてもちゃんと走れるからいいや。(ああだめなひとね)

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