Last Update: 2002/08/30
カタナ号がエンジン前部からオイルを噴いてしまった。 僕は、「滲み」程度のオイル漏れは、さほど気にしないことにしている。 その辺は旧車だし、しようがないじゃんってことで。 だが、距離にして2〜30km程度の走行で、 エキパイにだくだくとオイルが滴ってしまう状態では、 さすがに危なくて走行できない。 そこで、クランクケースより上を完全にばらし、ガスケットを全て交換することにした。 良い機会だから、ヘッド周りの点検整備とかもついでにやってしまおう。 …でも僕は、エンジンを開けるのなんて初めてなのだ。 という訳で、この頁を参考にしてトラブっても、ぜんぜん責任は持てません。 冷やかし程度に見てやってください。
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まずは外装部品の取り外しから。マフラー、タンク、カウル、カウルステー、ヘッドライト、サイドカバーなど。 嵩張るので置き場所に難儀する。 一度に複数の車両を整備しなければならないバイク屋は、つくづく大変だと思う。 |
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どんどんばらすよ。 パーツや工具を入れるプラスティックトレーは、全てダイソーにて購入。「ビバ、100円ショップ」って感じ。 ボルト類は部位毎に整理して蓋つきのビニール袋に入れ、マーカーで名前を書いて保管する。 |
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バルブ周りの整備にはSST(特殊工具)が必要なので、ヘッドは毎度お馴染み(?)、Hu-techに持ち込んだ。 カムシャフトを外した状態でひっくり返して、燃焼室をキャブクリーナーに浸し一日保管。 溜まったカーボンをふやかして掃除するのが目的だが、バルブシートのあたりが甘くなっていれば、この段階でわかる。 |
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シリンダーを抜くのもちょっとした仕事。ケースに貼り付いていて、素手ではびくともしない。。 Tレンチにウェスを巻き、前部のエンジンハンガーを支点に、てこの要領で持ち上げると、「めり」とか言ってようやく剥がれた。 スタッドボルトが一本ないのに注目。錆びて固着したシリンダヘッドナットが緩まず、スタッドごと取れちゃったんだ。 |
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ピストンを外し、クランクケースにごみが落ちないようにウェスで保護する。 とは言っても、カムチェーン周りのスタッド周辺には、砂やごみが溜まっているし、完全には防ぎようがない。 もちろん精一杯注意しているつもりだけれど、あんまり神経質になっても、ねえ。 <「神経質で大雑把」なA型。 後でオイルパンを外して掃除し、安いオイルでフラッシングもする予定。後悔のない様にやれることはやっておくのだ。 |
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シリンダーにこびりついた旧いガスケットを剥がすのは、実は大変な作業。特にクランクケース側は手強い。 スクレーパーは高価くても、いいものを奢った方がいい。 僕はKTCのKZ142Bを購入した。セラミックチップ付きは切れ味抜群! |
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家には一応ガレージがあるけれど、屋根があるだけで、半分外みたいなものなんだ。 だからエンジンを開けている間、なるべく埃を巻き込まないようにビニール袋をかぶせて、布テープで留めておく。 再び組み上がるまでの間、お休みなさい。 |
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ピストンをひっくり返し、キャブクリーナーに浸す。カーボンは硬く固着していて、そう簡単には落ちない。 このまま一日程度置いておけば、歯ブラシでごしごし剥離できる。(…と、仁衡さんに教えて貰った。) ちなみに、この写真のやり方では埒が開かず、結局、大きなトレーで四個一度にやっつけた。 |
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と言う訳で、キレイになったピストンたち。刀のピストンは顔がいい。(と、僕は思っている。) 長きに渡って作られたバイクなので、初期型と後期型では、ピストンの材質や形状も違うのだそうだ。 ボアサイズは72mm。裏側の刻印により、アート金属工業製であることが判明。 (※)アートは主に国産車のOEMピストンを作っている会社だけど、Webページはつまらないです。 |
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およそ30,000km程度の走行で、溜まりに溜まったカーボンの、更にその一部。 これだけ取れると、キレイにしたのに却って圧縮が落ちそうだよ。 |
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シリンダーもガソリンをぶっかけて、普段は手の届かない部分までごしごし洗う。 ガソリンはブレーキクリーナーと同じくらいよく汚れが落ちるんだけれど、本当は灯油が安全。 掃除が終わったら、シリンダスリーブ内側が錆びないようにCRCを吹き付けておく。 |
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容量10Lの携帯用ガソリンタンク。 以前、SRXのガソリンタンクの錆び落としを行った時に、必要に迫られて買った。 2,000円ぐらいだったと思う。使用頻度は少ないけれど、あると便利。 |
<その2> 〜バルブ磨き編 へ続く。
Super special THANKS Hu-tech