カタナ月記

エンジンを半分だけばらしてみた <その3> 〜バルブ擦り合わせ&ポート掃除編

Last Update: 2002/10/24

ここで偉そうに書いてあることの殆んどは、
Hu-techの仁衡(にひら)さんの受け売りです。

何しろ僕には全てが初めての作業だから、手際が悪いし、勘違いもある。
マニュアルだけ読んでも、そこに細かいノウハウが書かれている訳じゃないし、
具体的にどうすればいいのか分からないことも多く、
作業に詰まる度、いちいちフォローして貰っているのだ。

できるところは少しでも自分でやりたいと思って始めたけれど、
却って迷惑だったかもしれない。

SRXの事故の件 でもお世話になったし、
Hu-techには、足を向けて寝られません。


…てな訳で、バルブ擦り合わせ&ポート掃除編です。
「ポート掃除ってなんだよそれ。」と思われるかもしれませんが、まあ見てください。

一本だけ手本を見せてもらい、後は『Do it myself.』

 バルブの擦り合わせにもエアツールが活躍。手タレは仁衡さんだ。

 雑誌などで、タコ棒を使ってバルブの擦り合わせをやっている写真をよく目にするけれど、

 エアツールでは手で10分かかる仕事量を2〜30秒で行ってしまうとのこと。効率は良いけど、やりすぎに注意。

 そもそも擦り合わせ自体、加工精度さえきちんと出ていれば、さほど必然を求められる作業ではないらしい。

素人なりにできるだけのことはやっている。

 左が擦り合わせ前で、右が擦りあわせ済みのバルブ。

 バルブフェイスに、薄くグレーのラインが出来ているのが分かりますか?ここが当たり面。

 ちなみに、当たり面の巾は、約0.9mmに設定。マニュアルより気持ち狭くしておくところが味噌。

 当たり面の面積が狭い方が、よりバルブの密着力が強まるからだ。(それに、どうせすぐ広がるとのこと。)

これが一分間に一万回も上下するなんて、なんだか騙されている気分。

 擦り合わせが一段落ついたら、ヘッドにバルブを仮組みする。

 コッタを落として捜しているうちにスプリングまでなくしておろおろしたり。

 でも、バルブスプリングコンプレッサーの使用にもだんだん慣れてきた。

「いい油だな」と言っているかどうかは知らない。

 仮組みが終ったら、ヘッドを立ててポートにキャブクリーナーをたっぷりと吹き込む。

 例によって、このまま丸一日浸してカーボンがふやけるのを待つ。

 今度はポート内のカーボンを落とすのだ。吸気と排気があるから、少なくとも三日間はかかる計算。

 地味だけど大切な仕事。というか、メンテナンスってひたすら地味だよね。

LAVENブランドのケミカルは強力。チェーンオイルも跳ねないし。Hu-tech御用立?

 全景はこんな感じ。バルブのあたりが甘ければ、燃焼室にキャブクリーナーが流れてくるって訳。

 ただ、手作業でシートカットを行っている以上、完璧はあり得ない。どうしても刃が逃げて、微妙に斜めになってしまう。

 「本当にだめな場合は、すぐに、だーっと(キャブクリーナーが)垂れてきます。」と、仁衡さん。

 「何分も待って、じわーっとにじんでくる程度ならまあ大丈夫。エンジン回していればだんだんあたりもついてくるし。」

ポート内壁はノーマルだと割と粗い仕上げ。段付きだけ修正する予定。

 二日目。吸気側の掃除が終ったところ。概ねキレイになっているでしょ?

 ひっくり返して、今度は排気側。

 既に吸気側と同じ様にポートをキャブクリーナーで満たしているのだが、続きをやるには、また一日待たなくちゃいけない。

フィンの隙間とかも掃除したいところだけど、物理的に不可能な部分も。

 時間も勿体ないし、ついでとばかりにエキゾーズト周辺の汚れも落とす。

 隙間が狭くて、ふだんは手を出しづらいところだし、特にオイル漏れがあった3番付近は真っ黒でべたべただった。

 まだ黒々としているけれど、これでも結構頑張って掃除したんだ。

ももやの瓶詰め海苔みたい。

 三日目。排気バルブを取り外した直後、「とぷ」という感触…。

 う゛あ。な、なんだこりゃ。

 この後、カーボンの塊をほじくり出して、キャブクリーナーを吹き付けながら歯ブラシを突っ込んでごしごしと磨いた。

 あまりの汚さに、作業しながら眉間に皺が寄ってしまうが、キレイになるとちょっと嬉しい。

ちょっとピンぼけ気味だったので、シャープかけてます。

 こんなところでしょうか。掃除前の写真と比べてみてください。

 ところで、チューニングの本でも、マニュアルでも、バイク雑誌の記事でも、ポート掃除の様子って見たことがない。

 ポート加工とかするなら、必ずしなくちゃいけない作業だと思うんだけどなー。

修正面削による圧縮比UPは、シートカットでバルブが追い込まれた分と、溜まっていたカーボンを剥離した分で相殺か?

 カーボン落としが完了したヘッドを梱包して、内燃機屋さんへ送る。(あ、上に載ってる封筒は関係ないです。)

 再びオイル漏れが発生する懸念を少しでも軽減するべく、修正面削を行うことにしたのだ。

<その4> 〜ヘッド加工…っぽいこと(!?)編 へ続く。

Special THANKS Hu-tech     

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