Last Update: 2003/02/10
いよいよ、シリンダー組付けに入る。 初めはただオイル漏れを直したかっただけなのに、ずいぶん横道にそれちゃったなあと思う。 でも、ばらしたついでに点検することで、ポートや燃焼室もキレイになったし、 バルブシートの噛み込みや、スプリングのヘタリなどの不具合も発見できた。 自分の仕事が原因で新たな不具合が発生しないか、 しつこいようだが、今はそれが一番心配なのです。 (-_-)ゞ゛ウーム
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新品のピストンリング。 RING SET,piston 部品番号 12140-49211 価格 \2,850 ×4気筒ぶん。 組み付ける順番は、こんな感じ。(※)←仁衡さんが書いてくれたメモ。とても分かりやすい。 |
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ピストンリングを組み付けるの図。 実際はリング溝とリングにオイルを塗布します。(写真を撮るのに油手はまずいでしょ?) 旧いリングは外す時にあっさり折れてしまったので、慎重に。 でも、新しいリングは明らかに張力が強くて、しなやか。折れる感じはぜんぜんしなかった。 |
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シリンダ壁はだいぶヘタレて、ホーニング跡も薄くなっていた。 そこで、240番のペーパーを用いて、必殺、 手ホーニング を行なう。 『バイクのエンジンもな、手をかけてやると 魂 がこもるんだよ...』 by POP吉村 …ほんとかなあ? |
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この技を教えてくれたのは、例によって仁衡さん。 「あまり良くなさそうな気がするでしょ?でも実際には、オイルが溜まるから、(油膜がしっかり張って)イイんですよ。」 ヘビーコンディションの中古車を整備する時、内燃機屋に加工をお願いする時間も予算もないといったケースがある。 きっとそんな現場から編み出された技なんだろうな。恐らくは、街のバイク屋さんの伝統として。 |
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シリンダの合わせ面を、極細目のオイルストーンで軽く慣らしてあげる。 オイルストーンは、一つ持っていて損はないです。 僕はフロントフォークのインナーチューブに浮く小錆びなんかもこれで対応してしまう。 |
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シリンダを分解する時、シリンダヘッドナットと一緒にスタッドボルトが一本抜けてしまった。 これを、ダブルナットを使って再びねじ込む。 こうして、スタッドボルトに二個のナットを噛まして…、 |
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下のナットを軽くスパナで抑えながら、上のナットと共にスタッドボルトを締め込んでいく。 ダブルナットは知っていると便利な小技。 だけど、このやり方であまり強いトルクを掛けると、ねじ山が破壊されてしまうことがあるので注意。 |
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シリンダとヘッドを組み付ける前に、クランクケースからオイルを抜いて、オイルパンを剥がす。 溜まったスラッジを一気に除去すると同時に、ケースに落ちた細かいごみも、ある程度洗い落とすことができる。 シリンダとヘッドを組んでから、再びオイルパンを取り付け、オイルを注入する手筈。 |
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コンロッドにピストンを組み付ける。ピンクリップをクランクケースに落とさないように気をつけて。 一個目はちょっと難儀したけど、コツが分かれば簡単。 この状態だと、ピストンがかっくんかっくん首を振って、なんだかコミカル。 |
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「(ピストンをシリンダに入れるのは、)2、3番が先の方がやり易いですよ。」と仁衡さんのアドバイズ。 という訳で、後から入れた1、4番が上に来ている。 新品のクランクケースガスケットが初めから一部破けていたというしようもないトラブルもあったが、 今更引き返せないので、液体ガスケットで固めて対応…。(液体が助っ人…。寒。) |
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ようやくヘッドが載って、見慣れた光景に。 朝から始めたのに、ここで日が暮れてしまった…。仕事遅い。 いちいちマニュアルを見たり、写真を撮ったりしてるからってのもあるけれど。 |
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シリンダヘッドを留める特殊形状のナットの傍に、"1"、"3"と刻印が入っている。 これ、実は締め付け順なのだ。シリンダヘッドナットは全部で12個あって、 締める順番だけじゃなく、仮締めと本締めの締め付けトルクまでマニュアルに記載されている。 |
<その6> 〜 カムシャフト組み付け〜バルブクリアランス調整編 へ続く。
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