カタナ月記

エンジンを半分だけばらしてみた
   <その6> 〜カムシャフト組み付け&バルブクリアランス調整編 

Last Update: 2003/02/10

「待ち」の必要な作業がなくなったので、どんどん完成に近づいていく刀号。
マニュアルを読み、頭の中でイメージを反芻していた作業が、実際にその通りに進むのが心地良い。

いやそれでも、しようもないミスはいくつかあった。

最近、ぷち工具ヲタクになりつつある僕。
スタビレーのレンチを握りながら、「をお。今日も手にぴったりフィットしてるゼ。キモチいいゼ。」とか浸っていて、
カムのホルダを前後逆に組み付けてしまったのだ。
気付いたから良かったようなものの…。
(HAZET、STAHWILLE、KNIPEX…、ああドイツ工具ラヴ。ハァハァ。)
…という訳で、とっととエンジンを組み上げてしまいましょうか。

1-3 には、Tマークはあるけれど、Fマークはない。つまり、点火タイミングは、1-4で合わせろってこと。

 カムシャフトを組み付けるために、ポイントカバーを外し、クランクを(進行方向に)回転させて上死点を出す。

 のぞき穴に現れるタイミングマークは、

     1-4 ≪気筒≫ ⇒ F ≪点火 Fire≫ ⇒ T ≪上死点 Top…、かな?≫と続く。

 (※)僕の刀は'88年型で、点火系は機械式。'94年式以降の国内仕様は電子制御で、この部分の造りが異なる。

これでカムチェーンをクランクケースに落とす心配がなくなった。

 とりあえずカムジャーナルに載っているだけの状態のカムシャフト。

 カム山がてんでに好きなロッカーアームを押そうとしているので、この時点ではがたがた動く。

 考えてみれば当たり前だけど、実際に自分で組んでみるまで気がつかなかった。

もちろん、カムジャーナルにはたっぷりとエンジンオイルを塗りつけてある。

 カムスプロケットの刻印位置を、マニュアルの指示通りに合わせて、カムシャフトホルダを締め付けていく。

 EXカムの≪1→≫マークがヘッドカバー合わせ面と一致し、≪2↑≫から20ピン目が、INカムの≪3↑≫に来る。

 「をおっ、本当にぴったり合ったよ!」と、ここでも当たり前のことに感動。

ばねの張力は、伸び縮みする方向だけじゃなく、回転方向にもかけることができる。ここが味噌なんです。

 カムチェーンテンショナーも、調整して組み直す。

 この部品、僕は嫌いなんだ。

 昔、ここからオイル漏れして、ガスケットを交換するついでにばらしたら、元に戻せなくなったから…。

刀のバルブクリアランス調整は、カム山が見えるのでやり易い。予めプラグを抜いておくと圧縮がかからず、クランクを回すのが楽になる。

 バルブクリアランスを調整する。マニュアルに記載されている標準値は、0.07〜0.12mm。

 狭いな…。INとEXで設定が同じってのも良く分からない。(SRXだと、INとEXで倍くらい標準値が違う。)

 バルブクリアランスは狭いよりは広い方が良い。それで、0.12mmに合わせた。

 バルブシートの当たりが付いて来れば、また狭くなってくる筈。1,000km程走ったら再チェックの予定。

工具屋さんで売っているアルミか鉄で出来たオイラーは、無駄に高い気がする。(でもちょっと欲しい。)

 調整が終ったら、再度、カムまわりにオイルを滴らせる。

 オイラーはDIYで買ってきた200円ぐらいのもので、たぶん自転車用。重宝しています。

プラグにターミナルナットが付いているのは、プラグキャップがノロジーだから。

 液体ガスケットは、信越のKE45 透明タイプ。仁衡さんのお奨め。

 Hu-techの近所のねじ屋さんで、800円ぐらいで買った。これ、すごく良いよ。

 下に転がっているのは、カムエンドキャップと、ヘッドカバーに4本あるプラスねじ用のゴムワッシャ、それに新しいプラグ。

閉じてしまった途端、「あそこは大丈夫だったかな、あそこは…。ええと…。」などと記憶を反芻。

 ヘッドカバーが載った。ここまで長かったなあ。

 『エンジンかけたらそのままご臨終するんじゃ…。』なんて不安がまた、アタマの隅をよぎる。

 そんな思いを振り払い、作業を進める。

地面に寝転んで取り付ける。しんどい。

 キレイに掃除済みのオイルパン。実は、ここでも小さなトラブルが発生。

 なんと僕は、刀のドレンボルトに合うソケット(21mm)を、持っていなかったのだ。マヂかよ!って感じ。

 しようがないので慌てて買いに走った。オイル交換はいつもHu-techでやって貰ってるので…。

 (※)'94年式以降(国内仕様)のカタナのドレンボルトは、17mmになっているとの報告を頂きました。(2003/02/14)

お店で買う場合のほぼ半額。MOTULは、独特の香りが何ともいえない。

 エンジンオイルは、フラッシングもするので、とりあえず8L用意。

 並行輸入品だけど、MOTUL 300V 4T Competition 15W-50。1L/\1,650。 "laitier.com" にて購入。

 ここは輸入工具の販売もやっていて、HAZETがびっくりするくらい安価で買える。

後、キャブをOHして載せれば完成。だ、大丈夫かな?

 IGコイル付けて、ホーン付けて、配線整理して、カウルステー付けて…、

 外装付けて、バッテリー組んで、電装系チェックして、マフラーを組み付けて…。

 半年振りに刀号が、バイクのカタチになってきた。

<その7> 〜 とりあえず完結…。蘇える銀狼編 へ続く。

Special THANKS Hu-tech     

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