カタナ月記
Last Update: 2016/07/13   First Update: 2016/01/02

刀で袖ヶ浦フォレストレースウェイを走る パート3

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コース上で新しいバイクと絡んだとき、
どうしても差を感じてしまうのが、立ち上がり加速と二次旋回。

15〜16秒前後のラップタイムで走っているSSとコーナリング中のボトムスピードはほぼ同じなのに、
コーナーとコーナー間のトップスピードが10〜20km違う。
排気量が約半分しかない600ccでも、馬の数は僕の刀とトントンかそれ以上。
車重が大人一人分軽くて、最新の足回りにラヂアルタイア履かせてるんだから、
しかたないっちゃしかたないんだけど。
(1000cc相手だと更にざんねんなことになる)

二次旋回については、まったく歯が立たない。
「えいやっ!」と向き変え一発でクリアできる緩いコーナーならともかく、
90度以上曲がり込んでいるコーナーやヘアピンでは途端に苦しくなる。
僕が開けるのをがまんしている間にSSたちは開けていく。

どんどんどんどん離される。

しかし、例えばけんさんが感じているようなハンドリングへの不満は僕にはあまりない。
完璧ではないにしろ、セッティングにも、それなりに満足している。


要はそーゆうバイクなのだ。


車体が暴れたりラインを外してしまうのは、乗り手がへぼなのだ。
バイクが違うのだから、同じように走ろうとすること自体に無理がある。

じゃ、どうしたらいいのかって話。


・レーサー化。ミラー外してテーピングするだけのかんたんなお仕事(違)


僕がタイムを詰める方法は至ってシンプル。

突っ込みではキホンがんばらない。どうせタイムに繋がらないから。
可能な限りスムースに減速し、早めに向きを変えて、
少しでも早いタイミングで、少しでも大きく、少しでも長くアクセルを開け続ける。
GPSログで比較すると、僕のクリッピングポイントは他のひとよりだいぶ手前で、走行ラインもだいぶ違う。
彼らが定常旋回的なライン取りなのに対し、
僕の走行ラインは入り口でタイトに曲がり、コーナー出口でふわああと緩い軌跡を描いていく。

二次旋回が弱いバイクだから、最初の一発目で可能な限り強く曲げなくてはならない。
複合コーナーでは、一度バイクを立てて曲げ直す。


しかし、ある程度攻め込んでいくと、加速中にタイアが根を上げて滑り始める。
リアサスがフルボトムするほどトラクションをかけた状態で、である。
こうなると、さすがにそれ以上開けることはできない。

先述したとおり、コーナリング中のボトムスピードは5秒速いSSとトントンなので、
絶対的な足回りの性能差を考慮すると、これ以上、旋回速度を上げていくのには危険が伴う。



ここまでか。ここが45さまの限界なのか…。


否。



荷重のかかり過ぎでリアがスライドしてしまうのなら、 それ以上、負荷がかからないようにすればいい。

僕が導いた答えは「全開くれながら、リアの荷重を抜く」だ。

コーナー立ち上がりでリアがスライドし始めたら、
(あるいはその兆候を感じたら、)上体をめいっぱいイン側前方に落とし込む。
同時に車体を立てて、ハンドルに当て舵を切る。
アクセルは戻さない。
滑るか滑らないかというぎりぎりの線を探りながら、開け続ける。

この時点でバンク角は浅くなっているから、少しくらい滑っても平気。
向き変えは既に済ませているので大きく孕むこともない。


体幹を車体の中心に置かないのは、荷重がリアに載り過ぎないようにするため。
上体を前に持っていくのは、加速で軽くなっているフロントに少しでも荷重を移して仕事をさせるためだ。
上手く決まれば、穏やかにリアのスライドを保ったまま、
前へ前へと車体を推し進めていくことができる。

ちなみにスライドと言っても、それは乗り手である僕が大げしく感じているだけで、
第三者の目から見てわかるような派手なものじゃないです。

ズリッてるとかゆらゆら揺れてるとか不審な挙動をしているとか友人たちは言うのですがw


さて、この走り方、タイムには反映されるのか。


Analysis、どん!イエー!自己ベスト19秒1。(昨年比1.8秒up)

1本目の走行で悩まされた削岩機のようなチャタリングは、
路面温度が若干下がった2本目では奇跡的に収まって、走りに集中することができた。

ベストラップの次の周でタイムを落としているのは、ミスってギア抜けしたからですw

BEST-BESTは区間ベストを合計した仮想ベストタイムのことで、
僕がイメージできているベストも今のところこのくらい。
袖を走り始めて、かっきり3年。ようやく目標だった20秒台を超えて、18秒台も射程圏に入ってきた。
SS乗りの基準からすれば、てんで大したことのないタイムですけどね。

僕ごときが18秒台を狙えるのだから、上手いライダーが乗れば、19インチで17秒や16秒台を叩き出すこともできるでしょ。
15秒台とかになると、TOT(テイストオブツクバ)のMONSTERクラス Grid.Aの世界で、
そーゆう場所に住む連中が存在する。


MONSTERは、文字通り、化けものどもの祭典なのです。


・刀で脚出しとかして遊んでるアタマ悪いこw


この走りのデメリットは、異常に体力と集中力を消耗すること。

バイクに乗って、掌にマメができるなんてことは、今までなかった。
上腕と背中の筋肉を半端なく使う。ヘンなところが筋肉痛になる。
ハンドルに上半身を預けてコジりながら開けてるわけだから、フロントタイアの消耗も激しい。
タイムの変動が大きいのを見てもわかるとおり、走りの精度はまだ低く、改善の余地はいくらでもある。
ただ、じぶんで言うのもなんだけれど、
乗り手が僕である以上、ここから先はヤヴァい領域のような気がする。

20〜21秒台で安定して周回するという当初の目標は既に達成した。
絶対に転びたくはないし、転んだら終わりくらいの気持ちで走っているから、タイムアタックは一段落かな。
あとコンマ2秒まで迫った18秒台に叩き込みたい気持ちは正直あるけれど、
2016年は、ちょっと違うアプローチで愉しみたいですね。

袖ヶ浦フォレストでSSに混じって、空気読まずに走っている19インチ刀がいたら、なま温かく見守ってやってくださいw


■おまけ

僕はラップタイマーを持っていないので、
GPSロガー『LAP+(ラプラス)』でタイム計測をしています。
PCにロガーを繋ぐまで結果がわからないのが玉に瑕だけど、情報は豊富で精度も高いですよ。
走行中にタイムが分かればなあと思わなくもないですが、
どうせ大した走りをしているわけでなし。

これまでの走行履歴は、(ぜんぶじゃないけど)以下の場所にUPしています。

LAP+web(仮)

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