Last Update: 2003/01/20
…という訳で、今回はエンジンじゃなくて、タンクの錆び取りのお話です。 昨年の夏にエンジンをばらし始めた時、僕は一ヶ月以内に刀号を復活させる予定だったから、 タンクに4Lほどしかガソリンを入れていなかった。 そんな状態で半年近くも放っておけば、錆びて当たり前だ。 長期保管時、フュエルタンクはガソリン満タンが常識。自業自得である。 タンクの錆び取りは以前もやったことがあるけど、正直、「二度とやりたくない」と思った。 だって面倒臭いし、楽しくないし。 でも結局のところ、やらざるを得ないんだよな。ぶつぶつ。
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道具一式を並べてみる。ケミカルは『KREEM』を用意。 A液(錆び取り)、B液(脱脂)、防錆クリームの3点がセットになっている。 他は、バケツ、オイルジョッキ、バット、ウェス、石油ポンプ、目張り用のガムテープ、ゴム栓など。 |
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吸入口をマスキングするゴム栓は、ノギスで口の大きさを測って100円ショップで買ってきた。 しかし、刀のタンクはゴム栓ではちゃんと塞ぐことができない。 |
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なぜかと言うと、キャップをロックする部分に切り欠きがあって、隙間ができてしまうのだ。 結局、逆さにしたときのマスキングも、ガムテープを使うことにした。 錆び取り液は10L以上入るから、この時、マスキングの上をゴム板などで押さえつけておく工夫も必要だ。 |
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A液(錆び取り)は50〜70度に沸かしたお湯で希釈して使用する。 オイルジョッキに少しA液を入れて、台所の湯沸し機で熱いお湯を取り、よくかき混ぜてタンクに注いでいく。 処理を行なうタンクのサイズにも拠るけれど、10〜12Lのお湯が必要だから、結構大変。 デジカメで撮影しても写らなかったので画像はないけれど、錆びの具合は、前にやったSRXのときと同じくらいです。 |
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トラブル発生!ガソリンコックの穴を目張りしていたガムテープの隙間から液が漏れてきた! 気付いた時には既に半分近くが流出。なにげに大惨事である。 画像はタンクを斜めにしてその場を凌ぎ、周りを拭いた後で途方に暮れているところ。 |
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タンクの錆取りは一度経験している作業だけに、失敗は悔しい。 錆とりのやり直しは、雑誌の記事で良く見かける、『花咲かG タンククリーナー』を試してみることにした。 |
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同じトラブルを招かないように、マスキングを念入りに。 念入りにとは言っても、やることは同じなんだけどさ。 |
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今度はベランダで作業を行なう。(…と言うか、いくら寒いからって、本来は室内でやるべき作業じゃない) 『花咲かG』もお湯で10倍程度に希釈して使う。 処理時間の目安となる12時間ごとにタンクの向きを変えて、内側をまんべんなく処理していく。 |
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『花咲かG』には処理面の防錆効果もあるが、すぐに使用しない場合、防錆剤を塗布して欲しいと説明書に書いてある。 そこで、余っていた『KREMM』の防錆クリームを使うことにした。 |
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クリームが全面に行き渡るように、タンクを上下左右に振り回す。 こんなもんかなと思ったら、布団乾燥機(笑)でじっくり時間をかけて乾燥させる。 すごい臭いがするから、換気はしっかりとね。 |
今回は、(そのつもりはなかったのだけど)二種類のケミカルを利用したので、 それぞれの使い勝手を比較してみます。 ■ KREMM A液(錆び取り)の効果は非常に高い。 しかし、液を抜くと瞬く間に金属地が錆びてくるため、 処理を終えたら、速やかにB液(脱脂)で脱脂してクリームを塗布しなければならない。 B液(脱脂)は塗装を侵すこともあって、取り扱いにはやや気を使う。 そして、B液と防錆クリームは、かなりキツイ臭いを放つ。 確かに面倒だけど、上手くやりおおせればコーティングが目に見える分、安心感がある。 プロのバイク屋さんも良く使うそうです。 ■ 花咲かG タンク・クリーナー こちらも、錆び取りの効果も申し分なし。 錆びを取った後に新たな錆びの発生を抑える働きもある。(もちろん、完全ではない) 最大の利点は、中性で塗装やゴムを傷めないため、取り扱いが容易であることだ。 処理済みの希釈液はパーツの錆び取りに再利用することができます。 --- 次にどっちを使うかと問われたら、やはり、『KREMM』かなあ。 やはり処理後は、表面をクリーム処理した方が良いように思えるんだよね。