そらいろつうしん Last Update:2012/02/25   First Update: 2003/05/07


Wisecoのピストンを組んでみよう <その2> STDピストンとWisecoピストンを比較する編

さてさて、入荷までずいぶん待たされたけれど、やっとWisecoのピストンKitが届いた。
輸入代理店であるPMCのカタログへのリンクは、こちら。

チョイスしたのは4607M09700(※注:現在は廃盤)という型で、
ボア1mmオーバー、、排気量620cc、圧縮比はSTDという比較的大人しいスペック。
この程度なら、たぶんキャブのセッティング変更も不要だと思う。
面倒臭いのいやーん、なのだ。

ボアアップするならふつうは圧縮比も上げたくなるところだけど、
僕はSTDの1JKのフィーリングが結構気に入っているので、こーいう選択になった。

ヤマハは既にSTDのオーバーサイズピストンの出荷を止めてしまっているしね。

ボアは大きくなっているのに、Wisecoの方が小さく見えるよ。

 WisecoピストンとSTDピストンを並べてみる。

 この角度からだと、Wisecoがいかに大胆に肉抜きされているかが分かると思う。

 僕は、ハイレグ・ピストンと名づけました。(世代がばれるな)

ピストンピンだけで27gも軽い。

 ピストンピンもぐっとコンパクト。

 鍛造は鋳造に比べてアルミの質量が高く、強度が上がる反面、素材自体の重量は増す。

 だからって訳でもないんだろうけれど、とにかくWisecoは、無駄を省いた設計。

一応、Race use onlyです。

 上ッ面はこんな感じ。

 ピストン+ピストンピンの実測重量は、STDの497gに対し、Wisecoは420g。

 実に77gもの軽量化!

みんなが「灰皿に丁度いいね。」って言う。僕はたばこ吸わないんだが。

 約35,000kmを走行したSTDピストン。

 マニュアルで0.045〜0.065mmが使用範囲とされているピストンクリアランスは、

 0.110〜0.143mmまで広がっていた。

 リング溝には、吹きぬけたカーボンがみっちり溜まっている。こんなの掃除できないよ。

まあ、18年間も頑張ってきたんだしね。ご苦労さんといいたい。

 外したSTDのピストンリング。

 カーボンは、エキスパンジョンリングにまで固着して、全く動かない状態。

エキスパンジョンリングののウェーブ形状はSTDより大きい。

 こちらはWisecoのピストンリング。

 エキスパンジョンリングの中央に、もう一本リングが通っている点が特徴的。

 ファーストリングとセカンドリングはSTDより太い。

<後日談>
2006年2月ごろ、友人のPYLON氏が
同じようにWisecoで1mmオーバーサイズ・STDコンプのピストンを取り寄せたところ、下のごっついのが届いたそうです。
表記上のスペックは同じながらも、型番は4607M09700→4797M09700に変更されていました。

他機種との共通化がその理由らしいのですが、ピストンピン、リング、サークリップを含めた重量が約530gと、
STDと比較してもやや重いものになってしまったのはちょっとざんねんですね。

4797M09700

<その3> バルブ磨き&ポート研磨編 に続く。


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