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【はじめに】 この記事は2005年11月に書かれた記事を2011年2月に加筆修正したものです。 文章は全体的に見直されていますが、事実関係や当時感じた印象などについてはほぼそのままです。 |
2002年10月某日。 秋晴れの気持ち良い日だった。 柔らかい風が心地よかった。 僕は、当時よく会っていたガールフレンドとちょっとしたデートの後、 都内の本屋に寄り道して、寒くなる前に家路に着いた。 馬喰町の交差点で赤信号が変わるのを待っていると、 ふいに、後方から背筋が寒くなるスキール音が近づいてきた。
ききいいいいいいいいいい………、
どん!
(やヴぁい!やヴぁい!!やヴぁやヴぁやヴぁやヴぁや………)
数秒後、僕は仰向けになって、ぽかんと空を見上げていた。 身体は………、うん、動く。 そこかしこに痛みはあるが、骨折などはしていないようだ。 立ち上がって辺りを見回すと、追突してきたクルマに押し出されるようにして、 15mほど先にバイクが倒れていた。
なんてこった。MS-1レーサーのストリップみたいだ。( °_ ° ) --- リアサスより前はほとんど傷がないので、折れた部分をくっつけたら直りそうな気もする。 でも、レーサーが軽量化のためにシートレールを切断したのとは訳が違う。 これだけの衝撃を受けた車体が、果たしてまともに走るものだろうか。 …たぶん、だめだろうな。このバイク。 さすがに今回は、諦観の念を感じざるを得なかった。 刀もO/H中でばらばらのままだし、走れるバイクはもう手許に一台もない。 停止中に追突されたのだから、過失割合は10:0。 とは言え、初期型SRXの時価は最低ランク。全損扱いになったとしても、直せる保証は何処にもない。 保険屋との交渉もかなり憂鬱なものになりそうだ。 いじけていると、そのうちHu-techの仁衡(にひら)さんからメールが届いた。
…面白いかもしれない。
ここまでやってくれたのなら、駄目モトで一度、直してみよう。 ノーマルのシートとシートカウルは破損してしまったが、 シングルシートと、予備のノーマルフェンダーがある。 僕はスポーツバッグにそれらを詰め込み、電車に乗っていそいそとHu-techに向かったのだった。
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Special THANKS Hu-tech