そらいろつうしん Last Update:2008/01/15   First Update: 2008/01/14

帰ってきた、そらいろ号 <前編>

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三年前に衝動買いしたドゥカティを手放して、
束の間の外車生活に別れを告げ、廃車&冬眠させていたそらいろ号を復活させました。

右上にマーブルチョコレートが置いてあるとこが
僕らしいというか(甘いモノ好き)

一応は室内保管だったから、

キャブを掃除して、新しいバッテリ積んで、ガソリン入れればオッケー!

…なんて、気楽に考えていたけど、
冬眠していたオートバイを復活させるのって、なかなかに手間のかかるものなんですね。
やっぱりさ、機械は定期的に動かしていた方がいいんだよ。

とゆう訳で、復活レポをお送りしまぅ。

心なしか緊張気味のそらいろ号 旧いダイアフラムは、このカタチを形状記憶しています。
ヒトには忘れたい記憶もあるってのに。 ガソリンホースも新調。
まだ火も入っていないのにIPCVが用意されているとゆう(笑)
先ずは、キャブレターのO/Hから。冬眠前にガソリンを抜いておいたから、そんなに腐ってた訳じゃない。
でも、旧いダイアフラムはゴムが硬化して、この形状のまま固まって動かない…。もち交換です。
 
スロージェットとニードルバルブも新品にして、真鍮ブラシでボディの白錆びを落とし、
錆びの再発防止のため、全体にシリコンオフを吹いておきます。完璧!
(…と思いきや、リターンスプリングの組付けを誤って、スカスカのスロットルになっていたことは内緒)
画像は掃除後。それでもこんな状態。 まさか、エンヂン開けることになるとわ。 EXポートはオイル下がりで湿っていました。
ついでにプラグも新品にしようなんて欲目を出したのがどたばたの始まり。
SRXのプラグホールは、タイアの巻き上げる砂利や泥が入り込みやすい位置にある。
軽くエアを吹いてから外したのに、プラグをねじ込むと「じゃり…」とすっげーやな感触…。
 
まんまと砂噛んじゃいました orz
 
こうなると、ヘッドカバーを剥ぐるしかない。あーあ。
汚いもの見せてすみません。 燃焼室も真っ黒。初めて開けたときもこんなじゃなかった。 ガソリンぶっ掛けて掃除中。
スタッドボルトはオーバートルクで外側に曲っています。
で、いざ開けてみると、ずいぶんとこの、様子がやヴぁいとゆうかぁゃιぃというか。
画像をご覧になったgizmo氏は、距離(一万kmちょい)の割には、カーボンの量が多いと指摘。
…そういえば、冬眠前のそらいろ号はパワーがずいぶん落ちていたし、燃費も悪かった。(15〜17km/L)
どうやら、かなり前からオイル下がりを起こしていたようだ…。
バラしてみたものの、
今後発生する作業量を想像してうんざりしているところ(笑) コレデモカ!というくらいカーボンが溜まっている orz なんともワイルドな一枚。
「それはひょっとして、私のところに来たがっているのではないでしょうか???」
 
可哀相なそらいろ号に救いの手を差し伸べてくれたのが、キャブ仙人こと永冶 司氏
仙人殿にはいつもお世話になりっぱなしですが、今回もちゃっかり甘えてしまいます。
早速、分解したシリンダーとヘッドとピストン一式を梱包して、岐阜のNAG S.E.D.に発送!
 
…到着早々、いきなりピストンを削られているようですが(汗)
ウェスに研磨剤を塗って、表面を仕上げているところ(たぶん) コンマ5mm程度だと、刻印もキレイに残っていますね。 シリンダー削っている写真なんて初めて見たよ…。
シリンダー面がささやかに歪んでいたため、修正面削と相成りました。
上下0.05mm。合わせて、ピストントップも0.1mmを削ったとのこと。
外周部だけ段差が低いのは、スキッシュエリア調整のため。
そらいろ号のピストンは、今や絶版となってしまったWiseco 620cc(4607M09700)です。
 
(僕にとっては)貴重な画像の数々は、現地特派員 harabow氏が撮影してくださいました。多謝。
次々発生していく数々の問題の
ひとつに過ぎない。
過ぎない。
過ぎ… orz 軽く再ホーニングして、慣らしています。 サイズからすると、EXバルブかな?
シリンダーの一部に、ピストンスカートがスリーブと当たった傷痕があります。
ピストン側に辺磨耗の痕跡が見られないので、首降りが原因ではないらしい。
考えられる原因としては、以下が上げられるそうです。 
 
1.ピストンクリアランスが小さい。
2.慣らしが不十分。
3.油温が低い、または、油温管理が難しい。
4.油膜が薄い。

 
度重なるケッチンの痕跡なんじゃないかとゆう気も、個人的にはしてます(笑)
 
ストロークが長く、ピストンが下がった時にコンロッドの傾きが大きいビッグシングルは、
シリンダー壁をこじり易いのかもしれません。
 
尚、このWisecoピストンの指定クリアランスは、0.076mm。作業時の再測定では0.08mmでした。
0.004mmは測定誤差と言っても良い範囲。ボーリングを依頼した内燃機屋さんの仕事が光ります。
参考までに、STDの標準ピストンクリアランスは、0.045〜0.065mm。
バルブの傘に付いたカーボンもかなり多いですね。 ポート側は32mm。 マニホールド側は約28.5mm。
結構大雑把なのね。
バルブアタリ面の拡大画像。アタリ巾がずいぶん広がっているようです。
堆積したカーボンを噛みこんだ痕も残っています。もちろん、シートカットもやり直し。
 
定規を当てて計っているのは、INポートの内径とインテークマニホールドの内径。
ご覧のとおり、3mm近い段差があります。意外とエンジンチューンの盲点なんじゃないかな?
「削り甲斐があります」とにんまり(?)のキャブ仙人。
シリンダー一式と一緒に、インマニも送れと指示したのは、こーゆう訳だったのか。

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Special THANKS : (株)NAG S.E.D.代表 永冶 司様 & harabow氏 Blog『趣味の徒然』 


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