カタナ月記
Last Update: 2018/02/05   First Update: 2018/01/08

第三者の刀号インプレと空気を読むバイクについての考察

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10月のある土曜日のできごと。

自宅ガレーヂで(新車購入から一度もしていなかった)セロー250のブレーキメンテをしていると、
聞き覚えのあるオフ車のエンヂン音と共にブッチーさん登場。
セローのリアブレーキのパッドを交換しようとしたら、
パッドピンのアタマの六角穴を舐めて、さんざん苦労した話を聞かされる。
六角穴開きボルトを舐めるとたいへんだよね…。
同じバイクのオーナーであるだけに他人事ではない。
僕も気をつけようw


ブ:「明日って何か予定あるの?」

僕:「箱根man3ですよ」

ブ:「そっかー。朝は得意じゃないから、(こないだみたいに)途中から行くかも。
   まあ俺がこう言ったときって、だいたい行くんだけれどねw」

僕:「ブッチーさんがいらっさるなら、僕もそらいろ号やめて、刀で行きましょうか」


振り返ると、今年は雨ばっかりでろくにツーリングできていない。
箱根と、地元の房総と、毎年恒例のキャンプツーと…。他は平日の夜走りくらいか。
ああ、刀では袖しか走ってないじゃん。

いい季節のうちに、一度くらい刀でツーリングしたい。

---

箱根man3と刀の相性はよくない。

過去に何度かSRX絡みのイベントに刀で出走しているんだけれど、
ほぼ例外なく、何らかのトラブルが発生するんだよね。



・2006年3月の箱根man3より。九州に転勤するHINさんのお見送りツーリングの筈だったのだが。


↑最初は11年前。

往路はなんともなかったバッテリーが突然死亡。
セルは回らない、アイドリングもままならないで、押しがけを繰り返しながら、
這う々々の体で引き上げたっけ…。(遠い目)

二度目はフロントのセッティングをしくじってコーナーの信頼感がまるでなく、
いいようにコーナーで突つかれてしまう体たらく。
カートリッジ・エミュレーターを投入して、しょっちゅう設定を弄り回していたころです。

三度目は割と最近。
サーキット遊びでマフラーに大穴を開けてしまい、
それを塞ぐため、1日半かけて造ったFRP製の蓋を見せびらかすつもりが僅か半日で取れちゃうというねw


ぜんぶ自爆なんだけれど、
とにかく大なり小なり何らかのトラブルが付いて回る。
周りがSRXばかりだと居心地の悪さを感じて駄々こねちゃうのかもしれない。
このこは機械のくせに空気読むのかよ。

ま。やなジンクスを払拭するいい機会か。



・薄々だめじゃないかと思っていることは、おおよそにして確実にだめなことが多い。


…そして当日の朝。

首都高を降りると、クランクケース左上に一筋のOil痕が…。

ここのOil滲みは、車検のとき気付いていた。
その日のうちにケースカバーガスケットを新品に交換しておいたのだけれど、ダメだったか。
どうやらシリンダーベースガスケットが抜けたっぽい。
シリンダーベースガスケットを換えるということはつまり、クランクケースから上を全バラしなくてはならないってことだ。_ノ乙(、ン、)_

幸い、まだ本格的には吹いてはいない。
飛撒したOilが、即、リアタイアにかかる場所でもないので、こまめにバイクを止めて、
滲んだOilを拭き取りながら走れば、一日くらいなんとかなりそうだ。

ジンクスじゃなくOilを払拭しながらツーリングする羽目になった。



・刀がSRXの大群を引き連れて走る異様な光景w



Oil滲みの憂鬱を除けば、刀号はそこそこ好調。
タイアが終わっているので、少しペースを上げるとリアがズリズリ流れちゃうけれど、
久しぶりの箱根の峠道もそつなく楽しくこなしてくれる。
このバイク安定感あるから多少のことでズサーはしません。
エッジ部分が死んでても、ツーリングペースならさほど問題にならないでしょ。

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伊豆スカイラインでは、信頼できるお仲間に刀を試乗していただいた。
刀は立ちごけで走行不能になっちゃうバイクなので、それなりの乗り手じゃないと安心してマシンを委ねられません。

僕はじぶんの刀以外の刀には殆ど乗ったことがないから、第三者の評価は割と(すごく)気になる。


・オーナーより絵になっているのではというくらい違和感がないBSF氏。



バイク屋『BS Factory』の店主であり、GSX750S III型のオーナーでもあるBSF氏。

マシンに対する評価はなかなか辛口で、仕事でイレブンカタナを扱った経験も豊富。
よくないポイントがあれば、ばしっと容赦なく指摘してくれるはず。


B:「むちゃくちゃハンドリング軽い!
   さすがに馬は結構いなくなってる感じだけど、その分逆に開けやすくて、すごく乗りやすい。

   良く動く足を最大限活かせる、すごくコントロールし易いブレーキと19インチの豊富なインフォメーションで、
   気がついたら膝擦っちゃってた♪
   CRならもっと上で伸びていくはずだけど、これはしようがないかな。
   ホントむちゃくちゃ愉しかった」


いきなり膝擦りて…w

走行10万km超えのエンジンだから、ある程度の馬の消失はしかたないかなw
脚の扱いやすさはフロントフォークに仕込んだオオノスピードさんの“鬼脚スプリング”の効果ですね。



・かつてCB750Fのクランクケースをガリガリ削って走ってたnakamura氏。



続いて、nakamura氏。


n:「タコメーターの回転数の表示がおかしい〜w」

おかしいですw

n:「走行中に、ものすごくメーターが揺れる〜w」

揺れます。仕様ですw

n:「メーターの揺れが気になって膝擦れなかったよ〜w」

て。擦ろうとしてたのw

n:「あと切り返しでフロントからシャリシャリて金属音がする〜w」


飛ばすとプリロードアジャスターが勝手に戻っちゃうんで、
その対策としてワッシャ一を一枚、フォークスプリングに挟んでみました。
まあ、僕が余計なことしたが故の異音ですw
(後で戻したよ!)

立ち上がりでフロントフォークが伸び切って、
前輪が路面に接地しているかしないかくらいまで開けないと聴こえない音なんだけどなー。


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短時間の試乗にも関わらず、既知の不具合は片っ端から指摘されてしまいました。
この猛者どもめ。さすがですわw

でも、概ね好評価でひと安心。
無手勝流でバイク弄ってきて、ヘンな方向にマシンを造り込んでいないか心配だったから、
誰が乗っても乗りやすいバイクになっていたことが嬉しい。
峠道で僕の刀を試乗したことがあるのは、過去に3〜4人だけ。
そのうちふたりは、走り出してものの15分もしないうちに膝を擦っています。
おかしなバイクだったらそんなことできないでしょ。

雑誌やネットのインプレでは無駄に手強いイメージを強調されるイレブンカタナですが、
実はとても乗りやすいバイクなんです。

それが証明されたと思っていいよね。

僕の刀はけして整備状態がよいとは言えないから。(※注:伏線)


ふたりには寒くなる前に試乗して貰えてよかった。
今年中に乗って貰うなら、今回のman3が最後のチャンスだと思っていたんです。
ぎりぎり間に合った感じだね。


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