カタナ月記
Last Update: 2020/08/30

再び蘇る銀狼

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割と有名なネタですが、いちばん左の画像のドライバーの先で差している箇所。
ねじ穴がヘッドカバーを貫通して穴が開いています。
刀の持病であるヘッドカバーのOil漏れの原因のひとつで、雌ねじの溝をつたってOilが上がってしまう。
ボルトにシールワッシャ(09168-06023)を使用することで一応は解決できますが、
S/MにもP/Lにもそんな指定はありません。
造りが雑というか設計の詰めが甘いというか、スズキらしいと言えばスズキらしい。

クラッチハウジングの段付き摩耗も刀の持病で、ちょっと距離走ったマシンはだいたいこうなってます。
アルミの鋳造だから、仕方ないっちゃ仕方ない。
カワサキZ系エンジンにも同じ問題があるため、後期型でハウジングを鉄製に変更しています。
それで段付き摩耗は解消しましたが、重くてパワーを喰われるので、
みんな前期型のアルミに交換しちゃうんだって(笑

2018/5/11〜6/2
シリンダーヘッド、クランクケースのすべてのボルト穴をタップで浚っていきます。これも必須の作業。
ウエットブラストをかけているので、奥の方までメディアが入り込んでいるし、
旧いねじを外すとき齧っている箇所もある。
昔、近所の金物屋が潰れたとき8割引きでまとめ買いしておいたタップが大活躍(笑
こまめに潤滑剤を吹き、タップが斜めに入らないよう、慎重に慎重に…。

サイズはM6とM8(細目)がほとんどですが、一部にM5。それと、クランクケースにM9が2箇所。
そんなレアサイズのタップ持ってないよーてことで、仁衡氏にレンタルしました。
赤のマーカーは、「ここもう済んでるよ」の印です。

約2ヵ月(間の週末とGW)をかけて下準備したパーツたちを、墨田のバイク屋Hu-tech。に託します。
後は気長に、急かすことなく、じっと待ち続けるのみ。

ところで、じぶんでバラして組み立てるならともかく、
バラバラの状態で部品を受け取ってエンジンを組むのって、想像を絶するたいへんさです。
純正部品の部品番号とパーツリストを照合して、ひとつひとつパッケージを開梱してS/Mで再確認。
ピストンとシリンダーのクリアランスやクランクの振れの再計測だってもちろん必要です。

仁衡氏:「(こんな仕事)葱やんじゃなきゃ受けないよ」

ほんとうによく引き受けてくださったと思います。感謝してもしきれません。

2018/6/16
軽く100km以上のスピードで転んでいるわけですから、
フレームにダメージが及んでいるかどうかは、ある意味、最大の心配ごとでした。

Hu-techには、なかなかに年代物のフレーム計測機があります。
フロント廻りをバラしてスイングアームピボットを基準に車体を固定し、
冶具とレーザーを併用して首の曲がりをチェックしていく。
ステムの延長線上で車体の中心から1〜2mm程度の曲がりあり…、というのが最初の診断。
しかし、飛馬さんはちょっと難しそうな顔をしている。

よくよくチェックすると、どうやらフレームの首は曲がっておらず、
ステムは垂直を保ったまま、車体中心から1mm程度オフセットしているらしい。

これを修正するには、軸穴に丸棒を通してオフセットしている側から反対側に大きく振り、
もう一度振り戻さなければならない。
軸穴に大きな負荷が二度かかるため、広がってガタガタになってしまう可能性がある。
要するに単純な曲がりより直すのが難しい。

状態的に転倒が原因とは考えづらく、元からだったのではないか。
ステム軸の延長線上の設地点で1mmのズレというのは、組み付け次第で生じてしまう差異でもあり、
新車でもこの程度のズレはふつうにある。

前後輪の接地点でセンターが3mmズレていると、ライダーは「何かがおかしい」ことを体感できる。
逆を言えば、3mm未満のズレは公差の範囲内、と言えます。
ここはフレームに手を付けず、様子をみようという話になりました。

2018/6/23
そんな感じで、なんとか走れる状態になったのが6月末。
マフラーの擦痕が痛々しい。同じサイレンサーもう手に入らないんだよな。

フロントを組みなおしたので、ハンドルロックがかかるか確認します。
刀のハンドルロックは使いづらいので、僕がオーナーになってから数回しか使用していない。
習○野陸運は車検でハンドルロックをチェックすることなんて滅多にないしね(笑

鉄製のインナーフェンダーは飛馬さんが苦労して修正してくれたが、
造形が複雑で完全に修正するのはほぼ無理で、交換を勧められる。
(先ずは修正を試みてくれる心意気が嬉しい)
フェンダーを固定するボルトが、転倒の衝撃で曲がっていたよ…。

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