カタナ月記
Last Update: 2014/08/11

続・刀号のバンク角対策(クランクケースカバー編)


ずいぶん前にUPした バンク角対策 の続きです。

刀を左コーナーで深く寝かせて行くと、最初に擦っちゃうのがクランクケース。
感覚的には“擦る”というより、“当たる”という感じで、接地したときの衝撃が結構大きい。
馴染みのバイク屋Hu-tech にお願いしてカットカバーを造って貰ったのだけれど、
期待していたほどバンク角は稼げなくて、
最初のサーキット遊びで早くも縁石に当ててしまった。

でも、ノーマルで削れるのはここまでが限界。
溶接して貰ったアルミ板の厚みは3mmしかないから、いい気になって攻めるとすぐ穴が開いちゃう…。

これ以降、左コーナーは抑えた走りをせざるを得なくなった。
抑えなきゃと意識しつつ、その後も何回かクランクケースを擦ってしまい、
その度にピットインしててOilが漏れていないかチェック…。
万が一にもコース上にOilを撒いて、他のライダーに迷惑をかけるようなことがあってはならない。


せっかくのサーキット走行、せっかく思い切り走っていい場所なのに、
無駄な神経使ってると思うとテンションが下がる。


もやもやもやもや。


リアサスのプリロードをかけて車高を上げるなど、ささやかな工夫もしているのだが、
もう少しバンク角を稼ぐ方法はないものか。。。



あった。






昨年、フライホイールを加工してたよね僕。


てなわけで、軽量フライホイールに合わせた新しいカットカバーを製作することにしました。
最初のカットカバーから追い込めるのはせいぜい2〜3mm。
だが、今はその数mmに拘りたい…。
僕にとって、左コーナーのバンク角不足問題は、それほどまでに切実になっていた。
…てほどのことではなく、前のやつが穴開きそうだから、
新しいの造るついでにクリアランス取り直しただけてのが正解ですw


蛇足ながら、イレブン刀のフライホイールは3種類あるらしい。
細かな設定の違いまでは知らないけど、それぞれに互換性はないということなので、
加工用に中古を捜すときはちょっとした賭けになります。



右側がNewカットカバー。

軽量フライホイール対応は12.5mmのカット。
厚さ3mmのアルミプレートを溶接するので、フルノーマルからは9.5mm追い込んだことになります。
更なるバンク角を稼ぐためには、フライホイールを外してレーサー仕様にするしかない。


「たった9.5mm?」


そう思われるかもしれません。
でも、気持ち的には「やるだけやった」感があります。
だってこれ以上は、物理的に無理なんだもん。
それでも接地するなら、それはそれで仕方がないし、接地させるような走り方をする乗り手が悪い。


外した旧いカットカバーの裏側には、接地したときの衝撃で亀裂が生じていました。
これ、もう一度勢いよく当てたら間違いなくOil噴いてたでしょ…。
ぎりッぎりの交換タイミングだったんだなあ…。



溶接部からのOil滲み対策を万全にするため、カットカバーの裏側に金属パテなどを盛るひとがいます。
でも、先の画像を見てもわかるとおり、アルミは柔らかいため、強く地面に当てると変形して裏側が盛り上がってしまう。
完全硬化するタイプのパテは、割れたり剥がれたりして破片がエンジンの中に入ってしまう可能性がある。

「裏からも溶接できない?」

飛馬さんにそう提案すると、(できないことないけど)溶接の熱が影響して、表側がボコボコになっちゃうそうな。
確かに裏面から表の溶接跡が確認できる。逆もまた然りてことか…。

相談した結果、密着性と柔軟性に優れたKE45(シリコンガスケット)を塗ることにしました。
写真だとわかりづらいですが、見た目よりぼってり盛ってます。



新旧カットカバー装着の比較。
新しい方がそこはかとなく汚いというかボロいというかw

最初のカットカバーは、SOHCエンジニアリングさんから譲って戴いたのを、
サンブラかけてから削ってアルミ板溶接して、ペーパーで磨いてウレタンクリアで仕上げています。
要は(僕なりに)結構、手間暇をかけている。
でも、今回作った新しいカットカバーは、もとからついていたやつをベースに削ってプレート張っただけ。
TSCCのプレートも再利用w


でも。その。なんだ。
僕的に自分のバイクは、こんくらいヤレている方が落ち着いてしまうのだから困る。


このカバーにしてから4回ほど袖ヶ浦を走っていますが、
擦らないように極力気を付けていることもあって、今ンとこ、まだ傷はつけてません。
タイムは昨年より上がっているんだから、悪くないでしょ。
ヘタレなりに少しは上達したのかも。

ツーリングタイア履いた旧いバイクで深くバンクさせるの危ないから、
寝かせないで速く走れるのがいちばんいいんだよね。

Special THANKS:Hu-tech    

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